左利き
紅葉🍁
第1話
〜左利き〜
皆さんはこの世界にどれだけ左利きの人がいるかご存知ですか?
1割程度です。
つまり、10人に1人は左利きということです。
多くも少なくも感じますが、いずれにせよ世界は右利き中心です…
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「あ”あ”あ”…」
と一人の少女は言った。
彼女は左利きで、右利き中心の社会に嫌気が差していた。
特に今日は彼女はとても憂鬱で仕方なかった
なぜかって?
それは………
「書写」があるからだ…
「あ"〜もう!書写なんて左利きのやるもんじゃないよ!!」
なぜ??と思う方もいるだろう。
理由は簡単、左利きの人は右で書きざるを得ないから。
「左手で書きたいけど…左手だと右上がりができないんだよなぁ…」
「右手で書くと酷い出来でいっつもみんなが笑うし…」
「先生まで…」
「どうしたらいいんだろ…」
そんな彼女に背後から声をかけた人物がいた
「よお!元気か??」
少女はくるりと黒髪をなびかせながら振り返った。
そこには幼馴染がいた。
彼も同じ左利きで、唯一の理解者だった。
「おはよう」
少女はそういった
と、彼は
「今日書写あるね…」
と憂鬱という思いを隠し、無理やり笑みを浮かべ立っていた。
彼も彼女おんなじだ。
彼女たちは、習字だけでなく学校も嫌いだった。理由は左利きという理由でみんなにいじめられるからだ。それに、誰も止めてくれない。
だから彼女たちはお互い支え合ってなんとか学校に通っている。
二人はいつも思うことがあった。
もしも魔法が使えたら…
自分たちをいじめた人をこらしめて、左利き中心の世界を作れるのにな…
もちろんそんなことは無到底無理で考えるほどに虚しくなっていくばかりでした。
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