第3話 貰った加護はどんな加護
好きな加護をくれるってことなんだけど、パンちゃん……女神は『死ぬことも老いることも無い』って言ってたよな。てことは不老不死的なスキルは別途貰えるんだと思うけど、こいつポンコツの匂いがするからな……わーっと早口で喋ってたし、忘れてる可能性がある。
……一応確認しといたほうがいいな。
「ねえねえ、任期終わったら帰してくれるって事だけど、それまで老けたり死んだりしねーってのはほんと?」
「ええ、ほんとですよ。貴方はあちらの
「今の『あっ』ってなんだよ。ぜってー忘れてていまセットしただろ! あぶねえなあ。まあいいや。もらえる特典とは別に不老不死の加護かなんかが貰えるってことでいいんだね?」
「ですです。それと、何故か言葉が通じるアレもつけておきますね。言葉の問題で仕事が出来ないのは困りますし」
「助かるわー。うーし、諸々の不安が解消したし、俺の願いを言うね」
「はい! 目指せハーレムマスターなカリスマ性でも『今のはインフェルノではない、ただのファイアボールだ』が出来ちゃうカンストステータスでもなんでもいいですよ!」
ふんふんと張り切る女神。あれやこれやと、どっかで聞いたようなチートスキルを嬉しげに語ってるが……俺の願いを聞いたらどんな顔をするだろうな? クックック……。
俺の願い、それは!
「流石に自然と戯れるだけじゃあ暇だからさ、このスマホをパンちゃんの世界でも普通に使えるようにしてよ。ほら、そう言う転生者が出てくるノベルってあるじゃん? あんな感じでバッテリーや電波の問題クリアしてる様な感じで……俺ってかなりのオタクなもんで、ネットやゲームから離れると死んじゃうんですわ」
「えぇ……?」
◇◆女神リパンニェル◆◇
え? なにこいつ? は!? スマホ? ゲーム? 何いってんの? 異世界よ? 魔物蠢き剣と魔術が存在する……まあちょっと停滞してるけど、そんな世界なのよ? なに? スマホ持ち込んでどうすんのよ。いくらギャグ補正の加護を与えて死なないようにするといっても、痛みが無いわけじゃないのよ? 自衛手段無しとか何考えてんのよ……。
はあ……この人、個人的な趣味で選んだけど、ちょっとアレな人かもしれないわね。だって、チートめいた加護を上げるって言ってんのに、求めたのがスマホの持ち込みて……私が持ってる世界干渉権限なめてんのかな? 我この世界の創造神ぞ? 開発者ぞ? 種族チェンジは勿論のこと、望めばTSだって出来るし、一緒についてきた雄猫ちゃんを美少女化することだって出来るのよ? 飼い主飼い猫のダブルTSならおまけで禁断の【百合加護の星】まで付与したげるのもやぶさかじゃないって言うのに。
なのにさ、なんなんこいつ。スマホ持ち込みたい! ってばっかじゃないの? 家族旅行はスマホ禁止って言われてゴネるスマホ中毒の高校生じゃないのよ? ていうか、そんなの女神じゃなくてお母さんに頼みなさいよ!
……いやまあさ? 本人がそう言うならね、別にいいのよ。スマホを持ち込みたいっていうならいいの。何でもって言った以上叶えてあげるわよ。でもさ、どうしてスマホなのかな? スマホってそこまで必要な物かな? そりゃ無いと暇だろうけどさ、もっとこう……あるじゃないの。それがスマホって。ボール集めると出てくるドラゴンにパンツ頼むような物よ?――
――待って。
暇つぶしのためだって言ってたけど、それを言葉通りに受け取っていいのかな?
向こうは気づいてないだろうけど、実は私、趣味の関係でユウさんの事知ってるんだよね。ユウさんって結構面白い発想するからなあ……あんな物を描くような人が普通に『スマホを使いたい』って願うかしら? ううん、違うわ。それだけじゃ駄目なような気がする……きっとこれは『行間を読め』って言う奴よ……。
ハッ!
なるほど! スマホといってもただのスマホじゃなくって、様々な奇跡を起こせるスマホが欲しいのね!? 確かにそういうギフトを与えた管理神の噂を聞いたことが有るわ。日本人らしい発想だわーて笑った覚えがあるもの。
……間違ってたら恥ずかしいわね……念のために一応聞いてみよっと。
「スマホの持ち込みですね……わかりました。それでアプリですけど、こちらでも何かアプリを追加した方が良いのでしょうか?」
「アプリ? あーアプリなー。俺が入れたのもいくつかあるけどさ、折角だしパンちゃんのおすすめあるなら適当に入れてもいいよ。君が入れるアプリなら間違いないだろうしね」
やはりそうか……。
何か思うところがあるのか知らないけれど、遠まわしに言ってるわよね? 『君が入れるアプリなら間違いないだろうし』……か。これは暗に『アプリを使って色々な
ならばアプリを通じて様々な手助けを、私の力を貸せるようにしましょう…… これとこれと……こんなのもあれば……あの女神はこんなのあげてたわね……うんうん、これだけやってあげれば満足でしょう。あ! そうそう異世界生活必須のアレも……。
これだけやってあげれば十分ね! 後は実際に使ってもらって、何かあればフィードバックして……うふふ、なんだか楽しくなってきちゃった!
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます