短編集

彩崎 勝恋

私は、勝恋しょうこ


大体名前の最後に子どもの子がつかないのは珍しいと思うの。

そして、私は名前の通り恋に勝ったことはなかった。



私は失恋をしている。

忘れられない恋がある。



私には、高校一年生で、モテ始めた。

その時は、身長も165センチという


女子にしてみたら高いけど、

好きな人よりは低かったと思う。


好きな男の子は、須志田 かず扉すしだ と

身長168センチだった。


好きになったきっかけは、彼の優しさと爽やかさから。


気がつけば、彼のことばかり考えていた。


ある時、私は、私より背が低い女の子と告白するタイミングがかぶってしまって、

「悪い。二人同時に付き合えない」

「一人を選べばいいわ」


私は、女の子に負けてしまった。

それでも、須志田君が好きだった。


須志田君に好きな女の子のタイプを聞いてみた。


須志田君の好みのタイプ‥‥

身長は、須志田君よりも5センチ以上低くて‥‥(あの女の子は163センチだった気がするわね)

髪は背中まで長くて、

成績や運動も上位になれる優等生タイプらしい。


だけど、身長はどうにかできなくても、あの人のために勉強もスポーツも頑張りたいわ。


私は父親似で、妹と弟は、母親似。

だから、私は母親から嫌味ばかり言われてた。

お母様が大嫌いで、誰も助けてはくれない。


私の居場所はどこかしら?

私は、我慢だけを覚えるようになったし、表情も出さないようにした。

私は何のために生きているかわからない人形みたいだった。

誰かの思うままに。


黒船あぶきは私を心配してくれたけど、私は自分の気持ちを伝えることができなくなっていた。

私はお母様の奴隷だから。


私が好きになれる男は、この世でただ一人だけ。

須志田君よ。


みんな大嫌い‥‥

こんな世界、侵食でも崩壊でもされればいい。

私が必要としない世界。


私は気付いた。

自分が予知能力があること、過去を見る能力があることに。


須志田君やお母様の過去を見ても、今を変えれないのはわかっていた。


私は異世界人とのクォーターで、お父様がハーフということに、過去を見て気付いてしまった。


テストに予知能力は使えないので、過去を見る能力で取り組めば満点までいかなくても、成績は上位になれた。

勉強したことを覚えてればできるのよ。

ただ数学は、過去を見る能力では解けなかった。

まず、授業の段階で数学を理解してないから。


異世界‥‥異空間‥‥

どんな違いがあるんだろう?


異世界でも行ってみようかしら?

だけど、行くための手段がなかった。

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