第3話 T型の角を持つ怪物
俺の家は家に着くとドアが壊れていることにぞっとした。中に入るのがこわいのと中がどうなっているのか気になる思いが混同した。そういや、俺の母さんはシングルマザーでいつも姉貴を虐待していた。妹も母さんと一緒になって姉貴のことをさんざんばかにしてきた。まさか、な。姉貴にいつも「人としてどうなの」と罵ってきた母さんが弱々しくもないし、そんな簡単に。あれ、というか俺そんないじめ殺しだの噂を信じないとか言ってたはずだが、まあいい。とにかく中に入ろう。
玄関に入ると皿は割れていたし、包丁の刃の部分が欠けていた。そしてリビングまで向かうと母さん、妹が目を開けたまま不気味に倒れていたー。俺はぞっとした。まさか死んでるなんてことないよな‥。まじまじと確認してみると二人の首には青い痣あざ、服は何ヵ所か破れていたしー
「ここは危ないわ!」
声がして後ろを振り返ると姉貴がいた。
「早く家を出て?」
「家‥‥?」
俺は理解が追いつかなかった。姉貴に何を言われているかわからなかった。
「怪物が中にまだいるの」
「‥‥‥?」
何を言われているんだろう?呆然としていたら
「いじめの見てみぬふり発見」
声のした方を振り向くと俺はぞっとするあまり声も出なくなった。Tティー型のツノをして全身真っ白な見るからに大きそうな怪物が目の前にいる。
「いじめの見てみぬふりはいけない、殺してしまう他ない、この世界からいじめっなくす」
そうして俺の方に手を出したところを姉貴が腕を引っ張り、その怪物はバランスを崩して転んだ。
「痛てえー、何故庇う?」
姉貴は怪物の質問に答えることなく
「逃げましょう」
姉貴が俺の腕を引っ張って急いで靴を履いて
「早く履いてよ」
俺は返事をせず、呆然としながら靴を履き、姉貴に腕を引っ張られながら家を飛び出した。
「待ってえー、逃がさない」
怪物は追いかけてくるも足が短いため歩くのが遅かった。
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます