第11話 『 LOVE YOU!』
11.
" 波紋 Ripple 11"
夫の帰りが遅いというのは、とても気になるところではあるのだが
病気とはいえ、ずっと彼を放うっぽっといたという後ろめたさ?
みたいなモノがあり、責めるのは筋違いのような気がして。
しかし、この胸のモヤモヤが消えないのも本当。
そしてこんなふうに自分以外のことに気が回るようになってから
気がつくと、一進一退だった病気も、家の中で疲れた時に休み休みで
あれば、そして、少し誰かのサポートが少しあれば、日常生活を
なんとかこなしていられるくらいにまでになってきている。
といっても、元のように、とはいかず・・なかなかなんだけれども。
けれど、病気発覚当初に比べれば断然マシ。
時間の経過と共に、病気の身体との付き合い方が少し分かるように
なってきたというか、慣れ? 馴染んできた? みたいなものかな。
一進一退ではあるものの、以前よりは少しマシだという現実が
私をちょっぴり元気づけてくれる。
悩んだって悲しんだって、私の身体は思うようにはならない。
だけど、自分で立てて、歩けて、排便もできる、食事を作るには
まだまだ元気が足りないけれど、食べることはできるのだ。
できることに感謝してみれば、心の持ちようも変えられるのだと
知った。
11-2.
あれもできない、これもできない、ではなく・・ひとつひとつの
できることに喜びを
そうしないと、生きていけないような気がする。
自分の大切な生活時間を少しでも良いものにしたいもの。
泣いて暮らしても一日。
同じ一日なら、笑ってとまではいかなくても、1mmでもいいから
より良い一日にしたいじゃあないか、なんてね。
ここのところすごく前向きに生きたいと強く思うようになっていて。
ぼちぼち病院を変えてみるのも一つの手かな、とも思うようになって
いる。
ふとね、突然あることを思い出したのが切っ掛け。
そこから導き出された結論。
病気について、病気に伴う投薬について、病気を診てくれる
医師について。
医師は日本という国、私の住まう県、市があって、どこで括るかは
それぞれだけど、ひとまずは近いに越したことはないから、まず市で
括るとして。
セカンドオピニオンを受けてみるべきだと思い始めた。
今診てくれてる医師にはない発見や発想で、診立てをしてくれる医師が
住まう市のどこかに、居るかもしれない。
そしてその医師は私の病気に対して特効薬となる薬を見つけて
くれるかもしれない。
可能性はゼロではないはずだ。
こんなことを考えられるくらいには、今の病気との付き合い方を
マスターし、そのことで精神的にも少し余裕が出てきたのかもしれない。
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