第1話


「よし、今日の授業はここまで。みんな帰りの支度しとけよ〜」

 

と言い先生が教室を出て行き扉を閉めた瞬間教室が白い眩い光につつまれた。

そして次の瞬間には周りの景色は中世ヨーロッパのお城にあるような広間に変わっていた。


「どうも皆さん、こんにちわ」


声のする方見てみると、いかにも王女様って感じの少女が立っていた。

少し奥には、なんか豪華な感じの椅子に座っているおじさんがいるけど、

まあ、王様だろう。


「私はこの国、ミラレス王国王女のエミリアと申します。

ここは、アレイスタと言う世界です。皆さんからみると異世界になりますね。皆さんは私たちが勇者召喚で召喚しました。」


王女っていう予想は当たってたみたいだ。そういえば、周りにはクラスメイトがいる。俗に言うクラス転移ってやつだ。他のクラスの人などがいないから転移したのは自分達のクラスだけなんだろう。このまま行くとアレだな、魔王を倒してくれとか言い出しそうだな


「皆さんには魔王を倒してこの世界を救って欲しいのです。」


本当に言い出しちゃったよまあ、そう来るとは思ってたけどさ...


「なんだよ!魔王を倒せって急につれてこられて頼み事っておかしいだろ!元の世界に返せよ!」


クラスメイトの男子がそんなことを言い出した。これがフツーの反応だよ。

ん?俺が何でその反応をしないかだって?いや〜ちょっとこの状況にワクワクしてるからさ!


「こちらの都合で連れてきたのは悪いと思っています。でもこの世界は危機的状況なんです!だから力を貸してください!!」


エミリア王女の悲痛な叫び声が広間全体に響いた。

この世界の人たちも最終手段って感じで勇者召喚したんだろうな。

結構真剣になって言っていたから嘘ではないんだと思う。

てかさっきからなにも喋らない王様は、なにをしてるんだよ。


「す、すみません急に声を大きくして、、あとは説明お願いできますか?」

「わかりました」


すると文官らしき人が前に出てきて色々説明し始めた。

俺が聞いていてだるかったので端折っておいたぜ!

まずこの世界にはレベルとスキルがあるらしい。

レベルに関してだけど上限があり、上限の高さは人それぞれだそうだ。

それと、異世界人の上限は平均40レベルで最高99レベルらしいな。

ちなみに現代人は平均何レベルかはわからないらしい。なんでも今回が初召喚で情報がないとのこと。あーと、それと魔王を倒したら神さまが元の世界に返してくれるらしい(ほんとかどうかはわからん!)。まあひとまずこれくらいにしておこう。でも勇者召喚しまくって慣れていて、急に奴隷とかにされたらたまったもんじゃないからそこはよかったのかな。てかそろそろ自分のステータスが知りたい。


「ひとまず説明はここまでにして、君達のステータスを調べたいと思う。

この宝玉ほうぎょくに一人ずつ触れていってくれ。触れるとみんなに見える形でステータスが表示される。触れたあとは『ステータスオープン』と言うとみることができる。宝玉ほうぎょくではスキルは表示されないから各自で確認してくれ」


文官がそういうとみんなが宝玉ほうぎょくに触れに行き列を作り始めた。

ふむふむ、あの宝玉ほうぎょくに触れるとステータスがわかるってわけだな。でもなんか話が勝手に進んでね?みんなは魔王討伐するってことでいいのかよ!

まあいっか、言い出せそうな雰囲気でもないしな〜。そもそも俺は陰か陽だったら陰の方だったりする。このことについて言ったのは別に他意はない。べ、別に、みんなよりもステータスが高かったり、チートスキルをもらえるかもなんて期待してないぞ。

そして、続々とステータスチェックが進む中、


「おおーーこれはすごい!レベル上限が99レベルでしかも初期レベルが既に20レベルもあるなんて!!」

「マジすか!よっしゃぁーーーーこれで最強も夢じゃないぜ!」


なんか歓声が聞こえてきたと思ったら、そこには、クラスカーストの一番上にいるような人物、そして俺が最も苦手な人物でもある、中村恭介なかむらきょうすけがいた。




 

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