オマセな間瀬拓真は言いました
平葉与雨
プロローグ
第1話 転校
「おはよー。とりあえずみんな席に着けー」
担任の名は
「もう耳に入ってるかもしれんが、我ら5年3組に新たな仲間が
ガラガラガラ……タッタッタ……
「どうm」
「彼は
「間瀬拓真です。よろしくお願いします」
「……あっ、終わり? 何か他にないのか?」
「数秒前に先生に言われました」
「おぉ、すまんすまん(笑) 初めての転校生で嬉しくてついな」
「はあ」
「まぁいいじゃないか。これからよろしくな! みんなも仲良くするように!」
体型は平均的で周りと大差なく、顔は整ってはいるものの、まだ子どもらしさが残っている。しかし、彼の言動にはどこか大人びた雰囲気が
少しドタバタした感じだったが、朝の会はいつも通り行われ、何事もなかったように終わった。1時間目の授業が始まるまで10分ほどあったので、隣の席の山崎が拓真に話しかけた。
「俺は
達也はクラス内でひょうきん者と言われているが、意外にイケメンとも言われている。勉強は中の中レベル。球技全般が得意でサッカーが一番好きである。
「一周回ったら面白いな。よろしく」
「え? 一周回りながら言ったほうが面白いってこと?」
「いや、違うけど……まぁそれはそれで面白いかも」
「今度やってみるわ。てかなんて呼べばいい?」
「なんでも」
「じゃあ拓真だからクマちゃんな!」
「小学生ってすぐあだ名つけるよな」
「お前も小学生だろ! まぁいいや。お前も俺のことタッツーって呼んでいいぞ」
「
「おーい。まぁいいか。いきなりだけどなんか俺に聞きたいことない?」
「それは達也に関して? それともこの学校とかクラスに関して?」
「もちろん俺」
「ない」
「おい! なんかあるだろー。何歳? とか、趣味は? とかさー」
「合コンかって」
「例えばの話だろー」
「それに趣味はまだしも、何歳はないだろ。同じ学年なんだから」
「あっ、そっか。てかクマちゃんって本当に小5? さっきからすごい落ち着いた感じだし、
「・・・・・・」
「えっ、何その
「いや黙ったら面白そうだなと思って」
「びびったー。まぁアニメじゃあるまいしそんなわけないよなー」
「・・・・・・」
「おいやめろって」
「
「本当かよ。マジで
「ミステリアスボーイと呼んでくれ」
「いや急に小学生かよwww」
「小5だからな」
「なんかクマちゃんって面白いな!」
「達也もな」
転校初日で友達ができた拓真。雰囲気が大人びていて見た目からは判断できないが、少しは安心しているかもしれない。
これから始まるのは、そんな小学5年生の間瀬拓真が思ったことをズバズバ(?)言っていく、そんなお話。
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