第6話

 翼が帰って来る、そうそうに疾風は翼に抱き着くのだ。


「ただいま……。 元気にしてたか?」

「まぁねぇ。 でも、相変わらず、僕は痴漢に合ってるんだけどね。 ホント、困っちゃうよ。 そんなに僕って魅力的なのかな? 僕から言わせてもらうとお兄ちゃんの方が魅力的だと思うんだけどねぇ」

「でも、他人から見たら、お前は可愛いのかもな……見た目がな。 でも、俺からしてみたら、ギャップが凄いと思うんだけどな。 可愛い顔して……」


 そう何か言葉を続けようとしたのだが、自爆してしまいそうで言葉を止める。 そんなことを言ったら自分の弟のことだ、喜び過ぎて後で何をされるか分かったもんじゃない。


「……って、なーに!?」


 そう頬を膨らませて翼のことを見上げる疾風。


「あ、だからだな……あー、何でもないから! って、今日はカレーか……」


 その翼の一言に疾風は思い出したのか、


「あ! 忘れてたー!」


 大きな声を響かせてキッチンへと急ぐ疾風。


「ま、ルーを入れてただけだからセーフだよねー。 後はカレーに火を入れてルーと混ぜるだけだしー」


 そう独り言を呟きながら、カレーをかき混ぜ始める。


「はい! 出来た!」


 疾風は言うと翼はもう着替えていたらしく普段着に着替えテレビを見ていた。


「お兄ちゃん! ご飯、出来たよ!」


 そう言って疾風は部屋へと出来たカレーを運んで行くのだ。

  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る