多重人格大学生は逃げている
ヤハユー
第一章 私の知らない私の友達
プロローグ
六時のアラーム音で目が覚める。
心地良い日差しにもかかわらず、目覚めた瞬間からお腹がムカムカして気分が悪かった。
その理由はすぐに分かった。
化粧台には、私の嫌いな海鮮丼の容器が置かれていたからだ。
どうして食べたんだろう?と思いつつ、私は歯を磨きながらテレビでニュース番組を見ていた。
「昨日午前三時頃__瀬戸内海沖で大きな爆発があり__その時間帯は__八月下旬に開催を予定している大瀬戸水上花火大会に使用するとみられる花火玉の一部を積んだ船が航行していたのとの情報があり__現在も__海上保安庁による__」
ぼーっとテレビを見ているうちに、気がつけば普段乗る特急のアストロンラインの時刻が迫っていた。
(どうしよ……一限の講義に間に合わない……)
そんなことを考えていた私は、急いで身支度をし始める。
化粧台の鏡に向かい、ややパーマがかった長めのボブを整える。
左側のサイドバングを結び、とって付けたようなサイドポニーテールらしきものも左側に作ると、もの凄い勢いで玄関を飛び出した。
まるで、人格が変わったかの形相で……
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録(無料)
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます