映画を見よう
「もーほら行くぞ、今日はもう自由でいいから」
そう言いながらどこに行くかは歩きながら考えていた。
まぁでも結局鉄板は映画とかだろ。時間はとるけど早めのデートだ。幸いモールのなかの映画館とかなら朝からやってるし何も問題はない。
「そいでさ、光はどこに向かってるの?」
「駅前のショッピングモールあるだろ? あそこの映画館、デートっつったらそれだろ(ドラマの知識)」
「あそこかー久しぶりだなぁ。何見るの?」
「まーお前がみたいのでいいんじゃないか?」
「お前?」
「れ、怜がみたいやつで」
「ふふふ、やったー。長いやつにしよっかなー」
そう言いながら駅前にあるショッピングモールまで足を運ぶことに決めた。ああいう複合施設ならいろいろあるから遊びには事欠かないだろうと俺も確信していたし次の手を打ちやすい。
俺は心の中でほくそ笑んだ
「そういや、おま、怜はいつも通りなのな。服とか髪型とか」
「あー別に着替えられるものじゃないし」
「それもそうか」
私服と制服で少しチグハグだが無理なものは仕方ない。
でもまぁ年齢で行ったら同じくらいだからセーフセーフ、自分がおじさんじゃなくて安心するね。
そんな俺はいつもと変わらない怜の顔をみてから嘘のように気が抜け、もはやデートのような実感が湧いてこなかった。まるで通学路の秘密の抜け道を歩く時のような感覚で二人話しながら並んで歩いていた。
そうやって俺らは二人駅前のショッピングモールまでいって、今やっている映画で何が見たいか、怜に問いかける
「うーん……どれにしよっかなー」
いかんせん彼女は五年幽霊やってたからか決めかねている。
「まぁ早めに出たんだ。時間はたっぷりあるからゆっくり決めていいぞ」
俺は別に恋愛モノ以外だったら正直なんでもいい。
恋愛モノはなんかモブには夢がないとはっきりさせられて悲しくなる。
主役とヒロインとそれ以外って構図が際立って見える。
「うーん、海賊の秘宝、ジェネラルトリップ……なんかタイトルだけじゃしっくりこないなぁ」
モニターにある名前を一つ一つ読み上げているがしっくりこないようだ
「ならあれ見りゃいいんじゃねえの、ほら」
俺は指を映画館の上部に多数配置されているモニターを指さす。まぁたいていの映画館には宣伝のためにこういうものが用意されている。
「うわっ! うるさいと思ったらあんなの出来たんだ。あたしが前来たときにはなかったのになー」
「最近できたからな。ほら今だって宣伝やってるだろ」
宙づりにされてるでかいスピーカーから大音量で映画の宣伝が流れる。
これは映画館特有の感覚だろう。そんなことを思っているとアニメから今度は邦画に宣伝が切り替わる
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