お隣のヒキニートの登校条件は放課後デートをすることでした

高月夢叶

プロローグ


俺の住んでるマンションの部屋のお隣さんには、引きこもりニートの彼女がいる。夏の終わり頃、お隣の彼女

柚木ゆずき唯依ゆいと唐突に別れが訪れた。母親の教育方針の元、イタリアに帰国させようという方針に彼女は嫌々、従い、日本を去ろうとする。俺は必死に彼女の元へ駆けつけて告白をした。


その結果、俺と彼と両想いの恋人同士となって日本にのこることとなった。思えば

彼女との出会いは最悪なものだった。その邂逅は、春が終わりを告げ、新緑の季節に移り変わった頃のことだった。陰キャの帰宅部の俺、藤也ふじや瀬翔せとはある日の放課後、いつも通り、帰って趣味の小説を執筆しようとしていた。読むのも書くのも好きなWEB小説家の藤也青叶として活動している。


今だ、アマチュア小説家なのだが、『小説家になろうよ』では上位にランクインしたりしなかったたりしてそれなりの知名度を築いてきているが、書籍化の打診は未だ来ないのが現状だ。あと一歩だとは思うのだけど道は険しい。そんなことで、早く自宅へ帰って執筆に取り掛かりたいと思っていた矢先、生活指導教諭の塚本先生から校内放送で呼び出しが掛かっていしまった。


俺、何かしたかな?と不安に想いながら生徒指導室へと出向くと先生から「君を呼んだのは他でもない、不登校生徒の更生を頼みたいからだ」と突然に依頼をされた。俺は、「それは出来ません」と拒むも強引な説得に負けて引きこもりの更生の依頼を引き受けることになってしまったのだった。


                  ***

翌日、登校前に、昨日の放課後に塚本先生に不登校生徒の更生を頼頼まれたことでお隣の二〇八号室の扉の前へと来ていた。俺は、内申点欲しさに、その依頼を引き受けてしまった。塚本先生から、いくら彼女が美少女だからと言われたからではない、断じて。


インターホンをどのタイミングで鳴らしたらよいものかと迷わせる。女性宅のピンポンを鳴らしたことの無いオレはこの時点で緊張で心臓がバクバクでもう一層、逃げ出したい気持ちで一杯だった。


ふと急に、鼻がむずむずしてハクションと、くしゃみをしてしまう。その拍子に、弾みでピンポンを押してしまう。しまった!と思ったときには時既に遅く、ピンポンダッシュをするのが遅れてしまい、インターホンから「は~い、いまいきまぁ~す」と声がする。気の抜けたサイダーのような、朗らかで柔和な返事が返ってきたと思ったらガチャリと扉が開く。


部屋の中では、ピンクのチェックパジャマ上下の部屋着を着た美少女が出迎えてくれた。なんとゆうか、妹以外の女の子のパジャマ姿を見るのは、初てで、ドキドキしてしまう。ピンク色のチェック柄が、しと やかと清楚な感じを かもし出してどこか子供っぽくて可愛らしい。


柔和な朗らかな印象を受け、第一印象としてはライトブラウンのロングヘア―に瑠璃色のキレイな瞳の明るい陽キャな女の子というところで、真夏に太陽に向かってに咲き誇る向日葵ひまわりのような元気な女の子でとても引きこもりの少女には見えなかった。自然と胸元に目がいき、その二つの誇張された双丘が、高校生にしては、大きいよな。と思い、思わず数秒間、見惚みとれてしまった。


「えーと、どちら様ですか?」

彼女は、初めて見る人物を差して警戒するでもなく尋ねる。

「えーっと、初めましてお隣の部屋に住んでいるの藤也瀬翔です。」

と当たり障り無い初対面での挨拶を交わす。でも、ここからが一番重要だったりする。


向こうも「はじめましてぇ~」とれたとこで本題へと移る。

「良い天気ですねー、っこんなに良い天気だと外の空気が吸いたいな-。」

「そうですねー。わたしもベランダで外の空気を吸うのは好きですよぉ~」

「あの、束のことを伺いますが、学生の方ですよね?」

「こんな時間にまだパジャマ姿って大丈夫なんですか?学校に遅刻しますよ。」

「もし、良ければオレと一緒に学校へ行きませんか?」

彼女は一瞬、困ったような顔をしてから、「でも、あなたとわたしじゃあ、通う学校が違うんじゃ......」

といきなり、初対面の男からの申し出に一瞬、彼女の表情が曇る。


「あっ、そこは大丈夫です実は俺と君は同じ学校でこの春から同じクラスなんです。さあ、一緒に学校に、」

慌てて俺は、彼女に手をさし伸ばす。

「行かないよ。」

だけど、彼女からあっさり拒否されてしまい、俺の右手は、空を彷徨さまよう。

「そうゆうの結構ですから。」さっきまでの柔和な感じから一変、冷ややかな態度でそう言い突き放された。そう拒むように扉が締まっていく。オレは、そうはさせないと足で扉が閉まるのを防ぐ。

「なっなにをするんですか!?離してください!」

「人を呼びますよ!」

「強引に押し入るとか何をするつもりですか!」

「へ、変態!」

そう恐怖に顔を歪める彼女はポケットをまさぐると何かを取り出す。

「なにかあったときの為にぼ、防犯ブザーだって持ってるんですよ。」

「いくら登校を促しても無理なものは無理なんです!いいから、もう帰って!」

「わかったよ、強引にどうこうするつもりはないから。」

「今日のところは引き下がるよ。」


「わかってくれたなら、それでいいです。次に、無理矢理連れだそうとしたら、その時は鳴らしますからね!」と柚木は、紐を引く構えをする。

「ひぃ!!」

社会的に終わりを宣告されて思わず身震いしてしまった。マジな目だったよ今の。こうして、俺と柚木の出会いは最悪なもので幕を閉じるのだった。


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~あとがき~


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