第4話 突撃!友の家!
麻莉奈さんを何故かおんぶしているおじさんこと、松本である。なぜそうなっているのかは、麻莉奈さんがおじさんにおんぶをするよう言ったのだ。断ると駄々をこねるのでしかたなくしている。そのため、周囲からすごい見られている。
あ、近くの女子中学生が「お兄ちゃんにベッタリなんだね」って微笑ましそうに他の人と話していた。この人は妹ではなく姉なんです、友達の。麻莉奈さんは周囲の人に威嚇している。だけど、とても可愛らしい。
「みんなひどいよ、私のほうが松本くんの先輩なのに...」
「麻莉奈さん、それはですね、後輩におんぶされているから周囲の人にそう判断されてしまうんですよ。」
「まあ、そこは松本くんにおんぶするための犠牲だからさ。」
麻莉奈さん、それは犠牲にしてはいけない。
「松本くん、このまま、あたしの家までお願いね。」
「え、なんでですか?」
「だって、ずっと一緒にいたいんだもん。」
可愛い。だが、おじさんは麻莉奈さんの家は知らない。それを理由に断ろう。
「すいません、麻莉奈さん。私、麻莉奈さんの家知りません。」
「大丈夫だよ、松本くん。今日色々あったせいで忘れているかもしれないけど、あたしの家、俊から教えてもらっているでしょ?」
あ。すっかり忘れていた。この人、すごくおじさんに甘えてくるから俊のお姉さんってこと忘れてた。だが、このまま、麻莉奈さんをおんぶするのは恥ずかしいし...
もうこうなったら、ダッシュで川上くんの家に向かう。そして、川上くんに麻莉奈さんを預ける、素晴らしい作戦だ。
「では、急いで向かいましょう。」
「えー、あたし、ゆっくり行きたい。」
「もうすぐ日が暮れるので暗くなる前に早く帰りましょう。」
「まだ夕焼けでもないけど。」
「...では、行きますよ。」
「ねえ、まだ暗くならないからゆっくりでもいいんじゃない、ねえ、聞いてる?」
おじさんは走った、それはもう、メロスのような走りだった。ちょっと何言ってるかよくわかんないけど、疲れて変なこと考えちゃった。おじさんはもう年だから運動するのはきついのだ。そして、川上宅についた、オシャンティーなおうちだった。右の方の家は大森さん宅だ。
「せっかくだし、松本くん、上がっていきなよ。」
「それは悪いので遠慮します。」
「なにか予定でもあるの?」
「特になにもないですけど」
「じゃあ、入って、入って。」
「待ってください、押さないでください、まだ靴脱いでないので!」
麻莉奈さんに急かされて、川上宅に突撃したおじさんであった。
麻莉奈さんについていくと麻莉奈さんの部屋に案内された。おじさん、女の子の部屋入るの初めてなんですよ。なんかもうすごく、女の子って感じがした。
「楽にしててね。」
「あ、はい、それじゃあ、失礼します。」
「松本くんは苦手な飲み物とかある?飲み物取ってくるけど?」
「いや、特にはありません。」
「そっか、じゃあ、適当に持ってくるね。」
おじさんはこういう雰囲気に慣れていない、ものすごくソワソワする。麻莉奈さんが使っている生活必需品でちょっとあっち方面の妄想をしてしまう...いや、それはだめだ、完全にアウトだ。
「はい、松本くん、オレンジジュース。」
「ありがとうございます、麻莉奈さん。」
麻莉奈さんは笑顔で飲み物を渡してきた。一口、口に含んでみた、自分の好きなスッキリとしたオレンジジュースだ。
「そういえば、川上くんはまだ帰ってきてないんですか?」
「俊は、結構一つのことに集中しちゃう性格なんだよ。だから、俊はほとんどのことができるんだよ。俊は小さい頃はお姉ちゃんって言って毎日抱きついてきてたけど、最近はしてくれないんだよね。どうすれば、また俊は甘えてくると思う?松本くん。」
「えっと、私、妹がいるんですけど、今もものすごく甘えてくるのでどうすればいいかわかりません。」
「松本くんに妹がいたの!?え、嘘!?」
「嘘ではなく、私と2つ離れている妹がいます。」
「へー、松本くんの妹ちゃんにあってみたいなー。」
今度、家に来たときに紹介してみようと思った松本だった。
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます