第9話 楽しい時間を終えて...

楽しい時間が過ぎてしまった。だが、その楽しい時間をこれからも作れると思うと

とても楽しみになるのだ。明日からは通常どうりの授業が始まる。授業って言っても自己紹介やその教科の説明とかだろう。


またもや自己紹介があるということだ。おじさんの天敵である。それを乗り越えなければ、楽しい時間はやってこないと思った。他の人にとってはめんどいことと思っているのだが、おじさんはその逆だが。


そんなことを考えているとスマホが震えた。今日は川上くん、大森さん、近藤さんの連絡先を交換したのだ。中学のクラスのグループトークには入っていたので、少しは連絡先は持っているのだが、こうしてちゃんともらうのは初めてだったので、気分がいいのである。メッセージは川上くんから来ていた。


内容としては、今日のことや明日からのことだった。おじさんにメッセージが来るのはなにかの連絡事や教えてほしいことなどしか来ないので、そういう青春って言う感じのことがまずできていなかった。なのでとても嬉しかった。


川上くんとのトークを楽しんでいるともう寝る時間になっていた。早く寝ないと明日に支障をきたすので早めに寝ているのだ。そのおかげで毎朝スッキリと起きれる。

朝ごはんの用意とかしないといけないからね。


寝る前に歯磨きをして少しだけ勉強をしておく。勉強は大事だからね、頭がいいと、他の人から頼られると思って頑張っている。


やることをやって布団に入る。4月だけど少し寒いので、薄い掛け布団を追加する。

そうしておじさんは目を段々と閉じていく。


〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜


「こーくん、こっちにおいでよ。私とおままごとしよう。」

「うん、いいよーーちゃん。」

「私がこーくんのお嫁さんね。」


桜の木の下で僕とその子はおままごとをしていた。その子は僕の幼馴染

だった。目が夕日のような目をしていて、髪は夜に輝く月のような金髪の髪をしていた。その子と僕は毎日のように遊んでいた。


いつものように二人で。ずっとここにいたいそう強く思った。その子の笑顔はどんな宝石よりも輝いていた。その笑顔に僕は惹かれていた。


「こーくんはずっと私とずっと一緒にいてくれるんだよね?」

「うん、僕はーーちゃんのことが好きだから、ずっと一緒にいるよ。」

「そう良かった、私もこーくんのことが好き!」

「じゃあ僕達おとなになったら結婚しようね、約束だよ。」

「うん、約束!」


二人は小指を相手の小指に結びつけ、そのときに誓ったのである。

めでたしめでたし...ということにはならなかったのである...


次の日から、あの子は来なかったのだ。僕は泣いた。この感情は何なのだろう。

だが、幼い僕にはその感情についてよくわからなかった。ただ、ひたすら泣き、あの子は僕を裏切ったのだとその時はそう考えた。この怒り、悲しみはどこにぶつければいいのか。心のなかにはその思いが膨らんでいた。


その日から、人にどのように接していけばいいのかわからなかった。



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