初 恋


暗いエイの背に乗って

針に刺されてしまっても

平たいエイの背に乗って

水の中をともに行きたい

たとえ小さな目が私を映さなくても

たとえその口が私の名前を呼ばなくても

長い尾が揺れるのを

エイが絶えるまで眺めていたい


浅く、浅く 行くのなら

ずっと私はともにいける

深く、深く

行くのならいつか私だけが溺れよう

浅くずっと思いながら

深い海の底

エイと二人絶えるときを夢見ている

深く深くそう思いながら

浅い海の波間

二人まどろむ時間が続けばいいと願っている


荷物を捨てて軽くなったエイの泳ぐ姿を思いながら

冷たい皮をなでている

いつか来るさよならが今の私に染み渡る

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