青い冬、熱の欠片

雪野千夏

ああ、と笑った

ああ、と泣いた

ああ、と怒り

ああ、と頷いて

……ああと許した

心が大きく叫んだとき

私はいつも「ああ」といった


ただ、口を開けた

ただ、空を見た

ただ、唇をかみ

ただ目を閉じて

……ただ、息を吸って、笑った

本当に心が揺れたとき

私は言葉をつかめなかった

私は言葉を掴まなかった


それが、悔しくて苦しくて

悔しくて……生きている

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