浮気発覚、そして・・


ああ、愛おしい…


気が付くと、顔を真っ赤にしためぐちゃんの顔があった。


またもや、口に出していたか。


「いや、その、・・・」



・・・「ねえ、わたしのこと、すき?」


 ここですぐ言えたならば、彼氏龍雅を作る事など未然に告白という形で防げた。こんな自分今口竹三に腹が立つよりも先に、情けなさがこみ上げてくる。


そんなぼくに、めぐちゃんが言う。

「わたし、初恋の人、竹君だったんだよ?まあ、お互いを意識する時期に告白されて、捨てちゃったけど…」

希望の光が、見えた。


「ぼ、僕もめぐちゃんが好きだったし、今も、ずっと好きだ!!」

叫んでしまった。・・・沈黙。・・・ああー近所迷惑じゃなかったかな・・・。

戦々恐々とした思いで、現実逃避しつつ、、うつむいた顔がこちらを向くのを待つ。

「嬉しい、嬉しいよ竹君!!」

と、抱き着いてきた。んん?カラダガ、ミッチャクシテイマス。


許容量を超えた。巨峰。すぐ近くにある憧れのかんばせ。手を伸ばせば届く、桃。

「あ、やだ・・」

と恥じらう顔に、理性が野生に負けた。瑞々みずみずしい唇に己のを合わせる。

何度か合わせて、ふと、ここは旅館の廊下じゃあないかと思う。 血が音を立てて引いた。

慌てて恵の唇からはなれ、周りを見渡す。幸い、他の人はいなかった。ここはどこだろう、と思うと、僕の一人部屋の近くだ。宴会場から歩き続け、ここまで来たのか。浴衣から鍵を出し、戸を開ける。下駄を脱ぐのももどかしく、畳の上で再び恵と向き合った。

 改めて、思いの丈を伝える。

「恵、君の事が好きです。初めて会ったとき一目惚れして、ずっと、ずっと好きでした。お付き合いして下さい。」

「はい。私も好きです。よろしくお願いします。」



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