応援コメント

たとえばこんな近未来」への応援コメント


  • よく練られた作品だと思います。SFに読み慣れているからか、分かりにくさは感じませんでした。

    冒頭の時系列は今のままでも伝わると思います。
    Twitterと違って、読者は投稿時間も読むとは思うので。
    中盤1はIT企業が従業員休ませた話を思い出しました(笑)疾走感という側面では、中盤2の記事という切り取られ感があって感じにくいなと思った方です。中盤1を伸ばして、警官が気づくにするでも良かったかもしれないです。(疾走感を意外性という意味で使われているのであれば、SF普段読んでる身からすれば、bot通しの戯れで、ピンときました)
    終盤は古典的なオチではありますが、これはこれで綺麗にまとまってます。

    SF的な転についての一解釈として以下お読み頂ければ。

    終盤の彼が牛乳を動力源にする新型家庭用ロボットだと仮定すれば、物語のテーマ的に最後まで綺麗に結ぶのかなと思ったりしました。(それであれば、僕が彼と繋がりながらも、外と繋がるであろう彼から情報を得られない理屈が一つ生まれるので)

    中盤1はあえて人間の刑事と警察官ですが、ここもAIだったみたいな話だと、全て虚構というテーマともリンクするのでは?と思ってみたり。
    つまり、僕がなぜここで人間を出したのか?がSF的にはもう少し欲しかったです。

    SFって、テーマを掘り下げる思考実験なので、仮に彼が人間でないなら、僕は人間を描写できない、みたいな理屈も通ると思うんですよね。それこそ古典的な全部がAIの夢でした、的な。

    長々と書きましたが、構造的な転とSF的な転を意識して書いてみたのですが、伝わりますでしょうか?参考になれば幸いです。また次回作を楽しみにしています。

    作者からの返信

    佐久ユウ様

    ご訪問ならびに、丁寧な感想をお書き添えいただきありがとうございます。
    やはりSF読みのかたには先々の展開が読めてしまうようですね。加えて、物足りなさも。

    各シークエンスを極力細かく切ったのは、場面が変わる度に物語の意味合いがパタン、パタンと変わる幻惑的な印象を狙っていたのですが、ニュース記事の体裁のせいでブツ切り感が出てしまう(疾走感を損なう)というのは気が付かなかったです。なるほど。

    >牛乳を動力源にする新型家庭用ロボット

    面白いアイデアだと思いますが、読み手の興味がそちらの方へ向き、気が散りそうなので、短編で盛り込むのは少々の勇気と、それに見合った筆力が必要かと思いました。

    >あえて人間の刑事と警察官ですが、ここもAIだったみたいな話だと

    なるほどです。ヘビーなSF読みのかたには、そちらのアイデアの方が受けそうですね。
    とにかく幻惑させることを優先するなら、もっと徹底的にやるのもありでしたね。

    悔し紛れで言うとすれば、ここはやっぱり本物の人間という愛すべきポンコツを置くことで、読み手が一呼吸つける土台があった方が納まりが良いだろうという感じでしょうか。
    転は転でも、ピポットを踏む足場は残しておきたいというか。

    おそらく、このときの自分が書きたかったのは、あくまで人間とAIの関わり合いだったのだろうなと思います。

    思わず反論を続けてしまいましたが、非常に建設的なご意見をいただけて、久しぶりに脳が心地よく刺激されました。
    なかなか願っても得られないことですので、感想いただけてとても嬉しかったです。
    ありがとうございました。

  • まず、良質なエンターテイメントとしてとても面白かったです。
    物語の構成として、インセプション的な複層世界を想起させておりますが、どのシーンもジャンル違いのため、つながりが強制的に断たれていて、むしろ差が明瞭になって分かりやすかったです。
    3Dプリンターの死体は、DNAまでの再現は不能だけど検死レベルでは死体と誤認できる技術水準ということで納得しました。
    個人的に、欺瞞と看破のレベルは拮抗するという感覚を持ってしまっているので、若干、違和感を覚えました。

    最後のまとめは、さすがに人を持ってくると思いましたが、徹底してAIだというのが、なるほど昨今の生成AIの果てに訪れる世界を垣間見た気分です。
    人間も完全にスタンドアロンでアウトプットし続けるためには、カクヨムじゃなくカクカクに徹すれば良いのでしょうが、本作のような素晴らしい作品に出合えることで、インプットを果たし、私の本質は変化し続けることができます。
    ありがとうございました。

    作者からの返信

    K-enterprise様

    お褒めいただき恐縮です。
    書いた物を通してありがとうと言ってもらえて、こちらの方こそありがとうございます、です。

    3Dプリンターの欺瞞レベルのご指摘はなるほどですね。
    自分は単に、現場の他の人はちゃんと分かっていて、粗忽者の新人君が暴走してやらかしたつもりで書いていましたが、仮にも公の警察組織の検死の段取りを逸脱させるのは無理があったかもしれませんね。

    あらすじの解説でも書いてますが、本作は読み手に様々な可能性を提示して想像力を刺激したいという目論見で書いたものなので、僅かなりともK-enterpriseさんのクリエイティブを刺激できたのであれば本懐でございます。

  • 「自分の小説のどこをどう直したらいいかみんなで意見交換してみようpart2」企画参加ありがとうございます。最後まで読みました。
     いやあ、あらすじを少し見てオチはこうなんだろうなと想像していましたがやはり想像通りでも意外性は感じました。ただ、入れ子構造的に前提をひっくり返し続けたがために「本当にこの解釈で合っているのかな?」という読後の不安感はぬぐえず。

    1)どこまですんなり読めたか
    最後のシーン手前まで。

    2)どうしたらいい感じになりそうか
    >「何世代も前の家事用アンドロイドに、大ヒット小説を書かせようとするなんて、君は本当にロマンチストだよね」……と。

    ここを

    「僕のような何世代も前の家事用アンドロイドに、大ヒット小説を書かせようとするなんて、君は本当にロマンチストだよね」……と。

    とすると、より最後のどんでん返しが伝わり易いかなと。

    それと、どんでん返しに徹するならば最後の最後に「※この作品は〇〇という小説作成AIで作りました」と大嘘を付け加えるとか。


    ところで、アンドロイドの「愛おしい」という想いは、本当に存在するものなのか、それともアンドロイド自身にメタ認知がないゆえの思い込みなのかどちらでしょうかね?


    3)作品の強みと弱みは
    時系列逆順という混乱させやすい作りですが3000字という短さであること、そしてオチが予想しやすいために集中して読むことができました。
    弱みを強いて言えば、作品を一言では説明しづらいことと、これ以上の入れ子構造にしようとするとくどく感じさせてしまう拡張性の無さかなと。

    最近のホットな話題であることもあり、楽しませていただきました。

    作者からの返信

    詳細なご助言ありがとうございます。
    「僕のような」を付け加えた方が良いというのは、それが書かれてないと、相棒であるアンドロイド君の正体が分かりづらいということですかね?

    作中のAIたちが感情を獲得しているのかどうかも含めて、想像の余白を残したいという意図はありましたが、そこをボカしたいという意図はなかったです(その前の会話だけでも十分伝わるだろうと)。

    台詞が途端に説明臭くなる気がするので、ご助言を踏まえて手直しするかどうかは少し検討してみますね。
    お付き合いいただき、ありがとうございました。


  • 編集済

    鷲賀祖舘夕さん

    企画からまいりました。
    脱稿お疲れ様です。
    普段読みなれないSFジャンルの読書時間が新鮮でした。

    フィードバックをいただけると~、とのことなので、
    本編を読んでの個人的な感想を送らせていただきます。

    ※以下のコメント、ネタバレ含みます



    まずは「あらすじ」のネタバラシを読まずに読了して、
    一編ごとに、前編のメタ的な裏切りを行っていくのが狙いの作品なのかなと思い、あらすじを読んでみても内容と理解が一致しましたので、鷲賀祖舘夕さんの意図する方向外の解釈にはならなかったので、構成は問題に思いませんでした。


    >ただし、読み手にとっては構造が理解しづらく、彼女への心情を寄せにくくなる欠点と、次のパートへの繋ぎとなる情報(殺害の事実)の印象が薄くなる(畳みかける感が減じる)欠点があるため、ちゃんと時系列順に情報提示すべきであったのかどうかは今も迷っている。

    ↑これは個人的には、現在の構成の方が正解だと思います。みんなが慣れ親しんでいるtwitterのTLも逆時系列ですので違和感はありません。過去を追うことで真実が深堀される構成のほうがヒリヒリして読み進めるための推進力になりえそうです

    >これまでのやりとりの全てが旧式アンドロイド君の創作話だったと明かされる最後の〈転〉。
    一種の古典的な夢落ち構造。白けて台無しになる手法なので、やっちゃいけない気もしながら書いたが、最後の台詞がとても気に入ったので結局採用することにした。

    ↑多分に好みの問題がはらむと思うのですが、懸念されていた、たぶんこの「白けて台無し」という感覚が近いと思うのですが、個人的にはズドンと心にくるところが感じられず、読み終わったあとに「あっ、終わってしまった」という肩透かしのような印象がありました。
    ただ、あまり類みない形式かつ、風刺の効いたテーマでもあるので、刺さる人には刺さる作品なんだろうなぁ、と。
    例えばこれが8万字くらいの長編で、一遍が2万字の構成(でエピローグだけ短い)だったとしたら、裏切られた時のカタルシスが大きく、感情を揺さぶられたかもしれません。
    あとは高難易度ですが、最後の編で、最初の編(SNSつぶやきのフェーズ)とつながるようなギミックが存在したら「やられた!」って思ってたかも。。

    >≪この投稿は申請により削除されています。≫
    ↑これが何かに効いてるかなと思ったのですが本文中で探せず。。


    素敵なお話をありがとうございました。


    追記(お返事に対しての返事)
    お役に立てたのなら何よりです。
    作品を作ることにおいて、客観的に見れないというジレンマは常に発生する課題と思いますので、じぶんごときの感想でよければお気軽にゼヒ。。

    作者からの返信

    音乃色助様
    ご訪問ならびに、丁寧な感想をお書き添えいただきありがとうございます。
    ずっと気になっていた部分、まさに痒いところに手が届くコメントをいただけてとてもありがたいです。

    こういうのは短ければ短いほど良いと思っていたので、咀嚼する前に終わると肩透かし感があるというご指摘はなるほどなと思いました。ただ、何万字も掛けて引っ張るほどのネタでもないと思っているので、塩梅が難しいですねぇ。
    各階層に共通する符合性は、今後何か思いついたら改稿させていただくかもしれません。

    >≪この投稿は申請により削除されています。≫
    これは単に、直截的な名誉棄損とか個人情報絡みの投稿だったから、男側からの申請で削除されたという設定ですね。
    いろんな解釈ができるように明確にしていないのに、こうやって全部作者的見解を開陳してしまうのは本末転倒かもしれませんが(笑)


  • 編集済

    最後にたどり着いた真実が、本当に真実なのか。入れ子構造になっている本作は、本当に家庭用アンドロイドが作った物語なのか。実はそれすらAIの創作なのではないか。
    本作の終わりの見えない構造はどこかおぞましく、しかし昨今のAIの発達ぶりを思えば絵空事とも思えず、(良い意味で)独特のヒヤッとする読後感を覚える作品でした。解答編は後ほど読ませてもらいますが、素晴らしかったです。

    作者からの返信

    ご訪問ならびに感想をいただきありがとうございます。
    お褒めいただき恐縮です。
    最後の段の、さらに上層の入れ子構造、というのは自分の発想にはなかったですねえ。
    読み手を幻惑させてやろうという魂胆で書き上げた作品なので、我破さんを落ち着かない気持ちにさせたのであれば、それはある意味本作の本懐であります。
    感謝。

  • 縄文土偶そっくりの遺物がアフリカでも見つかっているそうです。
    文化的接点がないはずの、地球の反対側同士で生まれた神話がなぜか似ているなんてこともよくあります。

    我々は遠い祖先の時代から遺伝子の鎖に繋がれていて、
    ヒトの脳がみんなだいたい同じであるがゆえに、発想も創作物も似たり寄ったりになる運命から逃れられません。

    個性なんて、つまらない意地以外の何物でもないんですよ。

    ですからAIは、「人間と違って無個性」なのではなく
    人間がのんびりやってきたことを超加速してみせているのにすぎません。

    AIの創作物が虚しく見えるなら、それはそもそも人間の創作活動の行く果てが虚しいからです。
    わざわざ自動化しておいて、「創作なんて意味ねーじゃねーか!!」とキレてるわけです。
    そして、そんなことはマルセル・デュシャンがとっくに指摘してます!


    それと、重箱の隅をつつくようで申し訳ないですが、
    SNSでは、1週間や2週間も前の投稿記事となると
    投稿日時が日付で表示されるものではないか?と思いました。

    あのSNSパートで大事なのは投稿間隔であって、日付に意味はありませんから、
    本編の表記のほうが理解しやすいのは確かですね。


    頭いい人が書いたSFに感想送るのってホント怖えぇ……!

    作者からの返信

    感想お寄せいただきありがとうございます。
    AI創作論ですが、個人的には、今の深層学習AIだと創作の過程(意図)が見えない点が特に風情がないなあと感じます。どういうつもりでこの色にしたんですか?って訊いても答えてくれませんしね。偶然ガラガラポンで出て来た物に対し、人間があーでもないこーでもないと真面目に付き合うのが馬鹿らしいというか。
    そういう意味で、仮に出力結果が同じでも、(今のところは)人間の創作物とAIの創作物は等価ではないよなあと感じます。

    SNSの時間表示の件は確かにそうですね。でも、ご指摘のとおり、分かり易さ優先で今のままでも良いかなと思いました。ご指摘ありがとうございます。

    頭は良い方ではなく、ただ歳を食ってるだけだと思いますが、感想の書き込むハードルを上げる雰囲気を醸していたとは……迂闊です。教えていただきありがとうございました。
    そしてそれに臆せず、感想お寄せいただいたこと感謝します。

  • 企画から参りました。素晴らしい!海外sfを読んでいるかのようです。味のある文体に、思わず唸らされる展開!最高です。企画を開いた甲斐があると思わせてくれる作品でした。素敵な作品をありがとうございます!

    作者からの返信

    感想お寄せいただきありがとうございます。
    間川さんの作品は、これでお読みしたのは2作目だったのですが、どちらも安易に感想を述べるのは躊躇われる重い内容でしたので、2回とも感想を書き込めずにいました。申し訳ない。
    本作が、企画の「鬱々しい作品」に当たるのかどうか、少々悩みながらの参加でしたが、お褒めに与かりほっと安堵しております。
    クリエーターの端くれとしては、創作の場がAIに奪われる未来予想は鬱々としますよね?(苦笑)