第6話 再び
慣れないやもめ暮らしにすっかり疲弊していた昭太郎は、再婚を考え始めた。
美代子……亜寿未……
俺と暮らしてくれるだろうか……
昭太郎は、厚顔無恥だと分かっていながらも、思いを打ち明けた。
美代子も亜寿未も、初めは戸惑っていたが、
やがて、昭太郎を赦し、受け入れてくれた。
喪が明けた春に、昭太郎と美代子はささやかな祝言を挙げた。
昭太郎と美代子、そして
亜寿未は美しく成長していた。
年頃の娘なので、急に父と同居するのは受け入れ難いかと思われたが、憧れ続けた父とやっと同居できるという思いで、意外にもすぐに打ち解けることができた。
昭太郎も、今まで父親らしいことを何もできなかった分、大いに亜寿未を甘やかした。
昭太郎の息子、松吉は急に姉ができて動揺していた。
尊敬していた父には実は愛人がいて、自分には腹違いの姉がいたのだ。
昭太郎は、松吉が非行に走るのではないか、不安であった。
しかし、これも杞憂であった。
父の予想に反して、松吉は事態をすんなりと受け入れた。
亜寿未も一人っ子として育ってきたため、弟ができて嬉しそうであった。
子供たち二人が仲良く過ごしているのを見て、昭太郎も美代子も安心した。
昭太郎は再婚してよかった、としみじみ思ったのだった。
こうして、数年が過ぎた。
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