七天の神子~いきなり国を救えとか言われても、俺ただの高校生なんですけど!?~
ふひと
序章:再臨の少年
プロローグ:ある少女の独白
再臨の神子。
父様は、この乱世を終わらしてくれる「彼」のことをそう呼んでいた。
常に一つ席が空いた七神子。その最後の一枠を埋める存在。不屈の精神と機転で全てを平らげる異界の少年。
「彼」ならばあるいは、あの『灼天』を討ち倒し、南都に巣食う上皇の悪意を滅ぼすことが出来るかもしれない。都が焼けたあの夜から十年、私は「彼」を待ち続けた。
父様の無念を晴らし、一族の仇を討つ――それがただ一つの私が生きる理由。
私にとって、「彼」は最後の希望だった。
だから、信じたくはなかった。
信じることは出来なかった。
月明かりが照らす大路の中で取り乱す少年。父様たちが語った通りの背格好の少年は、まぎれもなく「彼」だった。
でも、彼は私が待っていた「彼」ではなかった。彼はあまりに平凡で、あまりにも弱かったのだ。
「夜更けの都で脇見とは、感心しませんねぇ」
突如後ろから聞こえた男の声。振り返る間もなく、私の意識はそこで途絶える。
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