めだか子ちゃん。

夜月心音

プロローグ

一、めだか子ちゃん。


 ただただ、眺める魚たちを。

 ただただ、眺める狭い世界で生きる生き物たちを。

 呼吸困難にならないのか、過呼吸にならないのか。

 実際、酸素不足で死んでいく魚は大勢いる。

 謎の死を遂げるものもいる。

 めだか子ちゃんだって、この世界で呼吸困難になりかけている。

 なのにやめない。


 なぜ、そんなにもきみは——。


二、アイロニーをあなたに。


 こうして手紙を書くのは初めてでしょうか。それとも過去に何回かあったでしょうか。もう何年か一緒にいるものだから、あまり覚えていないのですが、この封筒を開けて、私の言葉を読んでください。大切な話です。

 そして、しっかりと実行してください。


 読んでいただけることを期待しております。


愛佳あいか

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