第30話
「それでは本題に入りましょうか。」
ユウシ君が帰った後部長はそう言った。
「ええ、そうですわね。まずはなんといっても北山さんのことですわね。」
続いて九条さんもそう言った。いきなり入部したいと言ってきた事には驚いた。
「どうやって入部させないようにしましょうか。」
どうやら入部拒否は確定らしい。まぁ入ってもいいとは一欠片も思わないが。
「退学にさせたらいかがでしょう。」
九条さんが何でもないように言った。いやいや、この子サラリと何を言っているの?
「うーん、でもどうやって?」
部長がそう疑問を呈した。部長の中ではありらしい。
「我が家の力を使えばどうとでもなりますわ。」
九条さんがそう答えた。お金持ちは言うことが違う。
「そうねー、他には何かあるかしら。」
部長がそう聞いてきた。どうやら却下はしないらしい。皆んなで頭を悩ませる。
「噂を流して学校にいれなくするのはどうかしら。」
続いて部長がそう言ってきた。言うことが皆んな過激だ。
「参考までにどんな噂を流すんですか?」
私はそう尋ねた。部長は少し悩んだ後、
「ビッチとか、浮気者とか?」
彼女はそう答えた。確かに事実なんだが少し弱い気がする。それに彼女の人望からすれば噂は消火される気がする。
「うーん、これはダメね。」
と彼女も納得いかないようだった。
「では誰かに襲わさせてみましょうか?それを元に脅迫するとか。」
九条さんがそう言った。このお嬢様、言うことがいちいち怖すぎる。
「警察などに行って私達が関わってるとばれたらどうするの?」
私が質問すると、
「それくらい揉み消せますわ。」
と答えた。うん、この子は怒らせないようにしよう。
「それなら、監禁とかしたほうがいいんじゃない?そしたら侑士君もあいつのことで傷つく事はもうないだろうし。」
部長もサラリとそう言った。どうやら犯罪も厭わないらしい。
「犯罪を犯すのは最後の手段にしませんか?」
私がそう言った。別に侑士のためなら犯罪くらいいいが、それで側にいられないのは嫌だ。
「そうねー、万が一バレて側にいられなくなるのは嫌だし。」
部長もそう言った。どうやら考えは同じらしい。
「なら、あの浮気相手を使ってみるのはどうですか?」
私はそう提案した。彼があいつのことを狙っているのなら唆すだけで私達は関与せずに彼女を引き剥がせる。
「そいつに襲わさせてしまえば2人揃って一網打尽で退学させるようなことも可能かもしれないし。」
私はそう答えた。もっとも、そうなるようにうまく誘導しなければいけないが。
「いいわね。」 「それはいいですわ。」
2人もどうやら賛成のようだ。すると次はどうやってそこまで持っていくかだ。
「まずは彼についての情報が必要ね。真紀ちゃん、頼めるかしら。」
部長がそう言った。すると九条さんは
「かしこまりましたわ。すぐに調べさせますわ。」
そう答えた。明日には情報が集まっていることだろう。
「今日はこのくらいにしましょうか。穂波ちゃんからの怖い提案もあったし。」
部長はそう言った。何を失敬な。私はただ、1番有効な手を提案しただけなのに。
「そうですわね。サラリと恐ろしいことを申されます。」
九条さんもクスクス笑いながらそう言った。非常識な2人に言われるとはどうなんだろう。
そうして会議は終了し、私達は帰宅の途についた。
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