特殊の人々

男同士の恋愛描写ではほぼ必ずセックスがあるのに

男女では必ずしもそうではないのはなぜかしら


理解はあるんだろう 共存の意志もある

ただ良くも悪くもゲイを“特殊”だと思っている


ゲイを性的な存在だと思っている?

アイデンティティの問題だとわかってない?

どうしても男女の関係と比較してしまう

“特殊”だから


“配慮が足りなかった”と反省しているが

なんだろう やっぱり特殊だと思っているのかな

それはもちろん接し方は異なるかもしれない

ただそれは全人類で接し方が違うのと同じ

どうしても“普通の人々”だとは思ってくれない


“普通”なんてないかもしれない

誰もがどこかで“特殊”なのだと

でもあの子はやっぱりどこまでも目的語で

彼は主語としてあなたから扱われる


“特殊”とはなんだろう?

それはちょっと変わってること、ではない

“あなたたち”は“私たち”と違う、と

そう“普通に”扱われること


俺は俺で あなたはあなたで あの子はあの子で

それぞれにバラバラに かつ共に

社会にいろいろな人がいるのが“普通”だ

“受け入れる”とはどういうことだろう

他人の許可がないと俺はいられないの


LGBTという人たちを“普通”の中に加えてあげよう

それは尊重ではない

多様性とはマジョリティの中にも在るもの

決して特別なものではない


同性愛について殊更に理解する必要はない

人権を理解できればそれでいいのだから


真っ当な人権感覚を持っていること、と

理解がある、配慮する、は、違う

我々は“配慮”をしたいのではない

差別をしたくないのだ

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