主人公たち
そっちが先にやってきたのに
それに然るべき態度で応じたら
ポリティカル・コレクトネス疲れだって
一体どういうつもりなんだろう
カミングアウトしたら“いじられ”る
公表してるんだから仕方がない、って、
いやそれは違う 納得いかない
と言ったら“いちいち面倒臭い”って
世界は一朝一夕じゃ変わらない
長い時がかかる
でもそんなこと訊いてるんじゃないんだよ
そんなことより早く救われたい
だから「今」すべきこと
カミングアウトには“勇気”が要る
カミングアウトには“覚悟”が要る
ストレートで在ることはなんでもないことなのに
これが非対称性、社会構造の問題か
少子化をゲイのせいにしないでほしいなあ
じゃ持ちたい、って言ったら“子供がかわいそう”なんでしょ
持ちたくても持てない世の中が問題なのに、
でもまそれだと今の社会が悪いって話になるから、耐えられないか
そうなんだ そうなんだよ
“このまま”じゃいられなくなるのが“面倒臭い”
だから今のままで幸せだ、俺は満足してる、と
でもあなただって今の世界が完璧じゃないことはわかってるはず
だからといっていくら頑張っても完璧にはならない
でも、目指すだけの価値はあると思う
“ゲイというかわいそうな人がいる”
“だから我々ストレートは彼らを尊重せねばならない”
でもそれだと“尊重”にはならない
俺はいつまで経っても尊重“してあげる”の支配下にいる
俺が言ってるのは、要するに、
もっと気楽に“男”になろうよ
優雅な“ストレート”でいようよ
のほほんと“マジョリティ”で在ろうよ
ってことだ
俺もいつかここから変化するかもしれない
女になるかも トランスジェンダーになるかも
ストレートやバイセクシュアルになるかも
障害者や貧困になるかもしれない
そのとき“みんな”が救われる社会なら
“みんな”が救われる
あなただって年をとれば老人になる
そのときあなたは“お年寄りに親切にしてあげよう”と、
目的語になる、あなたがこれまでそうしてきたように
そこから出て、そして自由になるってのはどうだい
あなたは自由になっていいんだ
あなたはあなたの鎖から解放されていいんだ
あなたは何にでもなれる
あなたはどこにでも行けるんだ
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