“こんなつもりじゃなかったのに”と

誰もに人と異なるところがある

完全な平均的人間などありえない

だから“異質”は自虐的にコミカルに

闘おうものなら叩かれるから


俺も太ったり禿げたりしたら

それをネタに笑いにしなきゃ

“面倒臭い”と言われるのだろう

未来は憂鬱に満ちている


自虐的に笑いものにならねば周囲に認められない

なんて狂った社会


いつか何かが終わるとき、人々は

“こんなつもりじゃなかったのに”と

そう嘆くんだろうな


みんな勉強なんかしちゃいないんだ

みんな自分で勝手に“差別”を定義している

そしてそれに則って話を進めてるだけなんだもの

そりゃ噛み合わないわな


「他の国はもっと酷い」

「殺されないだけマシ」

あなたは規模を気にしているようだけど

つまり“差別がある”と認めているわけでしょう

それじゃそれを改善しようとは思わないの


俺は困っているんだ

だから救われたい

表現の暴力はやめてくれ

それが何であれ


でもそれがつまらない人もいる

“変わること”を怖れている


最初はLGBT、次は外国人、障害者と続き、

女、そしてデブ、ハゲ、チビのように、

次々にいろいろなものが笑われていき

世界は選ばれた者だけが幸せな美しき日々


けれど人は誰もが他人と何かが異なっている

完全な平均的人間はありえない

だから一定の基準から外れる者は排除を怖れそれを隠す

そして管理社会が


いつか世界が終わるとき、人々は

“こんなつもりじゃなかったのに”と

そう嘆くんだろうな

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