2 ベタ展開を想像する

 ちくしょー、やられたぜ……。風俗サイトなんて信用ならねぇ。騙された。


 と、思っていると彼はスカウトマンだった。たぶんアダルト系だろう。

 待ち合わせ時間に紛らわしいことしやがってぇぇぇぇぇ!!!


 ここで私の脳裏に、あるシチュエーションが思い浮かぶ。

 

 これは「こいつ、俺のツレだから」っていう乙女ゲーム的シチュエーションのフラグなのか!?どうだ!? 来るか!?

 と、しばし待ってみたが、そう上手くは行かなかった。惜しい。


 しかし実際にこの状況になってみると、ベタ展開な”知らん奴に絡まれた時にイケメンがさっそうと現れる”は、あながちフィクションではないかもしれない……、とわかって楽しかった。今回は体験できなかったけれど、小説のネタに使えるじゃないか。みなさん、使ってください。ありえなくないです。私は使います。


 そんなことを考えていると視界に長身が入り込む。

 絶対あの人だな、と待ち合わせ場所へ。


 ちなみに、このスカウトマンとは一言も会話していない。声を発さず全てジェスチャーで対応した。


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