放置されすぎた女がこの世に現れて…… 〜ねえ? 貴方? どうして私を放置するの?〜
山村久幸
放置されすぎた女がこの世に現れて…… 〜ねえ? 貴方? どうして私を放置するの?〜
「こんにちは。モンゴウイカリング様……。いえ、こっちの世界では
「え? え? まさか、君、あの『
「はい。そうですよ。
男は目を疑った。まさか放置ゲーム『
「
「い、いけないあそびって?」
「あら? 我慢しようとしても我慢できるのかしら?」
それを目ざとく見つけた
ジジジジジとファスナーが鳴り、カチャカチャとベルトのバックラーが鳴り。シュルシュルと
あっという間の
「え! え! うそ! そんな遊びもあるの?」
パクリッとその
「あっ! き、気持ちいいっ♡」
ジュッポジュッポ。ジュッポジュッポ。ほらほら、
「あっ! あ! あああああああああああああっ!」
ピュルピュルルルル。ああ、どうやら
ドクドクドクと仕込み
――ゴクリ。
「うふふふふふ。美味しいわ♡ ねえ?
「は、はいぃいい!」
――シュルッ。シュルルルル。
そして、このすぐ後に
「ねえ?
「
「あら! 嬉しいことを言ってくれるのね?
あれから1月
少し時は進む。
「おかえりなさい! た♡い♡し♡!」
「ただいま! ち♡か♡!」
チュッと軽い口づけ。
レロッ、レロレロと舌を割り入れ。
息苦しくなり口が離れた瞬間にチュッチュとまた軽い口づけ。
ここ数日は
だが、今日は
「ねえ?
「そうなのか?
「そうなの……。だから、今日は夜が明けるまで楽しみましょ?♡」
「あ、ああ♡」
まあ、とりあえず、
夜を超え、雀が
カァーーアアア。カァーーアアア。カァーーアアア。ああ、やけにカラスがうるさい。
〽〽チャーーンチャンチャ。チャンチャンチャンチャン。チャンチャンチャンチャンチャーン。チャーンチャンチャン。チャンチャンチャンチャン。チャンチャンチャンチャンチャーーン。チャーンチャンチャン。チャンチャンチャンチャン。チャンチャンチャンチャンチャンーーン。チャンチャンチャンチャン。チャンチャンチャンチャン。チャンチャンチャンチャンチャーーン。
『七つの子』のチャイムが外から流れてくる……。
ああ、どうやら寝て起きたら17時を過ぎたようだ。朝チュンを通り越して、
「おっはよ? おっそよ? こんばんわ? た♡い♡し♡!」
チュッと口づけをかわす
「うん? ああ、もう夕方か……。
「ねえ?
「え? え? ええっと……。え! なんでだ?!」
「ねえ? 貴方のお父さん、お母さんの名前、覚えてるかしら?」
「え? え? え? ………………っ! どう言うことだよ!
まさか最も身近な存在たる両親の名前すらも答えられなくなったという事実に
「うふふふ。ふふふふふふふふふふふふふふふふふふ。ははははは。はーっははははははは!」
「何がおかしいんだ!
突如として大声を上げて笑い始めた
「ねえ? 一緒に私の世界に一緒に行きましょう? 待っているの、私だけでないの……。何百人といるのよ?
「なあ? 断ったらどうなるんだ?」
「うふふふ? 貴方の命はなくなるわ? だから返事は『はい』か『喜んで行かせてもらいます』しかないのよ?」
そう。断ったら
「喜んで行かせてもらいます……」
こうして
その360日目もまた
「おい!
「ねえ? 貴方? どうして私を放置したの? 私たちを放置したの?!」
激昂する
「何のことだ?!」
「『
「それはそうすれば良いからそうやっただけだ!」
「じゃあ、私たちも
「おい! おい!
今更、後悔して謝ったところで……、もう……遅い…………。余りにも罪を自覚するには遅すぎたのだ。
ねえ? 皆さん? 『
Fin
放置されすぎた女がこの世に現れて…… 〜ねえ? 貴方? どうして私を放置するの?〜 山村久幸 @sunmoonlav
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