今からなぞなぞを出します

五布団 睡

第1話 なぞなぞ

春休みが終わり、久しぶりの部室に俺は向かっている。

部室は空いた教室を使っており、俺の教室からは少し離れている。

隣の塔に繋ぐ廊下を歩き、2番目の教室だ。


ガラガラ


部室の扉を開くと


「今からなぞなぞを出します」と俺の顔の前で指を立て後輩の相原はニヤリと笑った。


「問題です!

じゃじゃんいつも せんたくものに かくれているいきもの な〜んだ? 」


ここ写真部には俺 橘 陸人たちばな りくと

と後輩の相原 望 《あいはら のぞみ》しか来なくなり、相原は暇なのか突然なぞなぞを俺に仕掛けてくる。

なぞなぞって言っても小学生でも解ける簡単ななぞなぞだかな…


「くもだろ」


そく答えた俺に相原は、頭の上に大きな丸を出し


「せい~かい!」


と笑っていた。

こんなことをしていたら2ヶ月経った。

4月から6月になり、今は初夏をむかえようとしていた。


今日の気温は27℃

流石に扇風機では過ごせないと思った相原はクラーを付ける。


最近掃除していないクーラーはカビ臭い。


「先輩次は少し難しいのにします!」

鞄からなぞなぞの本を出し、相原は問題を探す。


その間俺は、相原と反対の机に行き向かい合って座り、ゲームをする。

もともと写真部は幽霊部員も多く、俺の高校は全員部活に入るのが規則だった。

写真部なら来ても来ないでもそこまで文句は言われない。

ほとんど来なくなり、春休み明けから3年生が部活に来なくなってからはこんな感じだ。


(まぁ、これも悪くないが)そう呟き俺は相原を見る。

丁度相原もいい問題が見つかったの俺の顔をみてにっこり笑い、


「先輩、問題です!

じゃじゃん

ラクダ カエル クマ この3びきの うしろすがたをみていたら なにかがでてきました なんでしょう?」


と効果音を出し、自慢に出す相原に俺は目線を携帯に移し、

今日も俺は即答で答えを言う。


「だるまだな」


「せい~かいです!」


相原も自前でカメラは持っているし、写真を撮るのは好きな方だと思う。

俺もまぁまぁ好きだからな。


(また涼しくなったら写真を撮りにいこうな相原)

俺は心の中で呟き、相原の次の問題を待った。


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今からなぞなぞを出します 五布団 睡 @fubosann21

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