第287話 侵略③
「はああ…リン様…♡」
「今日も…今日も…本当にお可愛らしくて…♡」
ティラニー帝国の侵略に備え、神の宿り木商会もサンデル王国も防衛線を固めようと関係各所が慌ただしく動いている中…
リンの自宅は、まるでそこだけ時間がゆっくり流れているかのように穏やかに過ごしている。
今日も、リンの着替え担当となるメイドがリンが起床してから、まさに神子と言うべき神秘性と可愛らしさを強調する白装束に着替えさせ…
そのあまりの可愛らしさにたまらず、恥ずかしがるリンを抱きしめて思う存分に可愛がってしまっている。
「あ、う、う……」
当のリンは、相変わらず人の手で着替えさせられることに慣れることがなく…
それも、自身の生活空間で生活していることで日に日にその美貌に磨きがかかっている、とても美人なお姉さんなメイド達に着替えさせられ、髪型までいじられている為、なおのこと恥ずかしくなってしまっている。
「ああ…リン様…♡」
「わたし達の、偉大なる守護神様…♡」
リンを包み込むように抱きしめているだけで、メイド達の心に幸せが溢れかえって来る。
リンの芳しい匂い。
リンの幼く柔らかな抱き心地。
リンから発せられる清浄で心地のいい魔力。
そして、神気。
それらが、メイド達の心を掴んで離さない。
それどころか、メイド達の心身にとてもいい影響を与えている。
「リン様…リン様…♡」
「リン様は、わたし達に幸せと言う名の光を照らしてくださる、まさに太陽のようなお方…♡」
「そんなリン様のお世話をさせて頂けることは」
「わたし達メイドにとって幸せそのものです♡」
スタトリンは、独立から四ヶ月程となる今も目覚ましい発展を続けており…
移民希望者は後を絶たず日々訪れており、国の総人口もとうに百万人を超えることとなっている。
それだけでなく、サンデル王国も国の首脳がリンの庇護下に置かれ、神の宿り木商会の店舗や施設が国中に展開されてからは著しい発展を見せており…
移民希望者もスタトリンに勝るとも劣らぬ勢いで増加していっている。
その結果、一時は一千万を切り、八百万まで減少していた人口は逆に二千万を超え…
もうすぐ二千五百万にまで達そうとしている。
神の宿り木村商会が経営する神の宿り木村も、著しく人口が増加しており…
今では数千を超える村となっている。
さすがに村も狭くなってきているので、じょじょに村の領地を広げていっており、同時にリンが自身の生活空間に村の拡張領域を作ってくれているので、そちらも利用することとなっている。
そして、それだけの人口全てがリンをこの世を生きる守護神として崇拝することとなっており…
そのリンを通して天界の神々に届く祈りの力も著しく増加することとなっている。
その為、神々はますますリンを溺愛し、リンへの加護の力をより強くすることとなり…
加えて、リン自身の神気ももはや無限大と言える程にまで膨れ上がっている魔力に匹敵する程となっている。
当然、その神気はリンの生活空間にも多大に影響することとなっており…
生活空間にある海で獲れる海産物の量、鉱山で採掘できる鉱物類の量、植物系の素材や食材の育ち具合、農園の土壌の状態など、全てが明らかに向上していっている。
もちろん、世界樹の方にもそれがとてもいい方向で影響が出ており…
普段からリンのそばにいることで、その体から発する清浄な空気も、採取可能な植物系素材や食材も明らかに量が増え、世界樹の持つ能力もより向上することとなっている。
神の宿り木商会の総従業員数も七十万を超え、そしてまだまだ増え続けており…
全員がリンの生活空間で暮らせることを、この世で最上の幸福だと思っている。
「おはよう!お兄ちゃん♡」
「おはようなの!おにいちゃん♡」
リンの家族として、リンを実の兄のように慕っているリーファとミリアが、リンの寝室に姿を現し、メイド達に抱きしめられて恥ずかしがっているリンにべったりと抱き着いてくる。
「あ、あう……」
「お兄ちゃん♡お兄ちゃん♡」
「えへへ♡おにいちゃんぎゅ~ってするのだあいすき~♡」
リーファは【光】魔法の威力、制御能力が著しく向上しており、医療部門においてなくてはならない存在となっている。
技能として保有している【医療・診断】の精度も大きく向上しており、リンの生活空間にある医療施設で、治療前の診察も担当するようになっている。
回復魔法の威力、精度も大幅に向上し、四肢の離断や重度の病気など、並の医師では治療ができない程の重症も、難なく治療もこなせるようになり、薬剤を使った治療も現在進行形で学習している為…
幼くも人並み以上に整った美少女な容姿をしており、天真爛漫でとても優しく治療してくれることから、患者から指名を受けることも多くなっている。
ミリアはリンと言う守護神に仕える筆頭の聖女として、すでにスタトリン中で認知されている。
リンの生活空間にある、リンを崇拝する教会のスタトリン本部に常駐しており、幼くも多くの教徒に日々、リンの偉業や力のことをとても分かりやすく伝えている。
それだけでなく、魔の森やスタトリン周辺の森など、
ミリア自身も、聖女としての力、そして【光】魔法の威力に精度が以前よりも明らかに向上している為、より難易度が高い場所での浄化に取り組むこともできるようになっているし、回復魔法ももちろん威力が向上しているので、神の宿り木商会の医療部門をリーファと共に支えてくれている。
そんな二人も、自分にとっては実の兄であり、同時にこの世で最愛の人だと断言できるリンと触れ合うことが大好きで大好きでたまらず…
こうして隙あらばリンにべったりと抱き着いては、リンの神気や魔力、そして抱き心地や匂いを堪能している。
「あ、あ、の、は、はな…」
「や~♡」
「おにいちゃんはとってもすごいかみさまだから、ミリアず~っとこうしてたくなっちゃうの~♡」
「ボクも、お兄ちゃんにず~っとぎゅ~ってしてたいもん♡」
「ああ…リン様がリーファ様とミリア様にこんなに…♡」
「なんて…なんて尊くて可愛らしい光景なのでしょう…♡」
メイド達も、リンがリーファとミリアにめちゃくちゃに愛されている光景があまりにも尊すぎて可愛すぎて…
思わず膝が崩れる程に悶えてしまうのであった。
――――
「えへへ♡リン様~♡」
「あ、う、う…」
「リン様♡わたし達の神様♡」
「リン様のおかげで、あたし達毎日す~っごく幸せです♡」
「リン様♡」
「リン様♡」
朝食を済ませ、商会全体の確認と管理も終え…
今のところは特にスタトリン、サンデル王国からの直接依頼もなく、自宅の庭にある農園で、アイリとリム達スライムと共に農業に勤しんでいたリン。
そこに、リンと同年代か少し下の、幼くも可愛らしい美少女達が訪れ…
とても嬉しそうにリンにべったりと抱き着いている。
彼女達は、表向きは神の宿り木商会支援となっている、リンを崇拝する教会に所属の聖女達。
かつてサンデル王国にあった教団で飼い殺しをされていた聖女の他に、商会系列の孤児院で引き取った子供や、商会関係者の子供に【聖女】の称号を持った者、最初は持っていなかったが後になって発現した者もいて…
今となっては、リンの教会に所属する聖女は百に近い数となっている。
気が付けば、全員がミリアのように【神の虜】の称号を持っており…
聖女達は誰もがリンのことを溺愛してしまっている。
筆頭の聖女となるミリアに続く形で、今やサンデル王国中に展開されている教会の支部で、リンのこれまでの功績やその力についてを、とても嬉しそうに幸せそうに語ったりしており…
そのおかげでもあって教会の信者は日に日に増えていっているし、移民したばかりの民もすぐに教会の信者となっている。
それと同時にミリアのように不浄の土地の浄化や呪いの解呪など、教会で受けた依頼をこなすようにしており、リンの教会の聖女達はその甲斐もあってまさに偉大なる守護神リンに仕える、清らかで尊い神の使いとして称えられている。
「リン様♡あたし達はリン様にお仕えする聖女として」
「リン様の為に、教会で信者さん達の為に」
「リン様から頂いたこの力を使わせて頂きます♡」
「そして、わたし達の守護神様となられるリン様に」
「これからもず~っと、お仕えさせて頂きます♡」
「リン様♡」
「リン様♡」
スタトリンにある、教会の本部はミリアが常に常駐しており、他の聖女達は各支部の方に交代で常駐している。
だが、彼女達もリンの生活空間にある教会の本堂の中に普段の住居を与えられており、そこから各支部にすぐに行けることもあって…
こうしてリンと触れ合える機会を頻繁に作り、リンと触れ合ってその神気を思う存分に堪能しつつ、愛おしくて愛おしくてたまらないリンにその狂おしい程の愛を真っすぐにぶつけてくる。
そのおかげもあって、聖女達は日に日にその清純さ、可愛らしさが増していっており…
教会の信者達から称えられつつも、とても可愛がられている。
「あ、あう、う……」
そんな聖女達にべったりと抱き着かれて愛されて、リンは恥ずかしさのあまりその顔を真っ赤に染めて俯いてしまっている。
もうこんなことも日常茶飯事になっているにも関わらず、いつまで経っても慣れられない為、未だにこんな反応になってしまう。
最も、そんなリンの反応が可愛くて可愛くてたまらず、聖女達のリンへの愛はますます溢れかえって来ることとなり…
ますますリンとの触れ合いがしたくてたまらなくなってしまうのだが。
――――
「うふふ…リン様がわたくし達に」
「神の宿り木商会系列の娼館と言う職場と」
「リン様がお作り下さった、この楽園そのものと言える世界に」
「わたし達の住処をお与えくださったおかげで」
「私達サキュバス一族は繁栄の一途を辿ることができてますわ♡」
リンが自身に仕える聖女達に、思いっきり愛されている時。
神の宿り木商会系列の娼館で、その特性を思う存分に活かし…
スタトリンの性犯罪を未然に防ぐ為に、その卓越したテクニックを駆使して、国内の男達が持て余している性欲を、適切に吸い尽くしてくれているサキュバス達が、適度に交代をしながら休憩を入れている。
開店から数日でスタトリンでの地位を確かなものとした娼館部門は、そこからすぐさまサンデル王国への事業展開へと事を進めていき…
サンデル王国の国内にも、凄まじい勢いで支店を展開していっている。
サンデル王国はスタトリンと比べて国土も遥かに広く、今でこそ治安はとてもよくはなっているものの、それでも性犯罪に関してはまだまだ法の整備などが追いついておらず、未然に防ぎ切れていないものがそれなりにある状態。
神の宿り木商会の系列店舗が増えているおかげで、女が貧困に苦しむあまり、選択の余地なしとして娼婦の道を選ぶことも非常に少なくなり、それゆえに元々サンデル王国の国内に存在していた娼館が軒並み廃業せざるを得なくなっているのも、理由の一つとなっている。
最も、サンデル王国の国内にある娼館はほぼすべて、かつての第二王妃・第一王子の派閥の貴族の息がかかっていたこともあり、お世辞にも真っ当な経営をしている店舗ではなく、それを一斉に摘発できたことでより国内はクリーンになっていっているのだが。
だが、その為にスタトリンのように、冒険者などの性欲を溜めやすい職業の男達が、その性欲を発散させる場所に恵まれない、と言う問題が発生することとなり…
一時よりも力のない女性が強姦されると言う類の性犯罪が増加する傾向になっている。
その問題を解決すべく、神の宿り木商会の娼館部門が支店の展開を進めてくれているおかげで、性犯罪に走らざるを得ない程に追い詰められていた男達がこぞってそちらに通うこととなり…
そこの娼婦となるサキュバス達が絶妙の塩梅で男達の性欲を鎮めてくれるおかげで、サンデル王国の国内も、増加傾向にあった性犯罪が軒並み減少の一途を辿ることとなっている。
そして、どの支店も開店から間もなく相当な売上を叩き出すこととなる。
サキュバス達はスタトリンだけでなく、サンデル王国の広い国土の至るところでも質の高い食事をすることができ…
そのおかげで、リンの生活空間で暮らし始めるまではその日その日を生きていく為の最低限の魔力で生活せざるを得なかったのが、今では豊富に魔力を溜めて置ける程にまで改善している。
その為、じょじょにではあるが一族の子孫を増やせる目途まで立ってきているのだ。
「さあ…娼館の娼婦としてのお仕事だけではなく」
「諜報部隊としてのお仕事もさせて頂かないと」
「聞けば、ティラニー帝国とか言う国が、こともあろうにリン様のお膝元の国となるスタトリンとサンデル王国を侵略しよう、などと企み、すでに刺客まで送ってきているとか」
「全く…よりにもよって偉大なる守護神様となられるリン様の国を狙って来るなんて…」
「すでに送られてきた刺客達は、我が神の宿り木商会の一員としてティラニー帝国の情報を開示しつつ、諜報において活躍されているとのこと…」
「次にまた刺客が来るのでしたら」
「今度はわたくし達が骨抜きにして情報を抜き出しつつ」
「あわよくば寝返らせてあげましょう」
今の幸福に満ち溢れた生活を与えてくれたリンの為にと、サキュバス達は諜報部隊としての裏の仕事も、精力的に取り組んでいる。
娼館と言う、相手の本音を引きずり出しやすい空間を利用して、客からさりげなく情報を引きずり出すのはもちろんのこと…
同胞となるハーピー達が割り出してくれた、対象の居場所を元に夢魔としての能力を活かし、夢の中に入り込んで情報を引きずり出したりもしている。
ティラニー帝国がスタトリンとサンデル王国を侵略しようと目論んでいることはサキュバス達も知っており…
自分達が心の底から崇拝し、愛してやまないリンの為にと、彼女達は諜報部隊としての仕事にもより一層、力を入れていくのであった。
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