マン・アンド・アフター・ヒューマン

@hatobanikki

プロット

◯参考作品(あればで構いません)

『Futurama』

『Splatoon』


◯世界観

 人類が地球上から消えて数千年から数万年、もしくは数億年たった地球。

 オートメーション化された街で多数のロボットたちは未だに動き続け、人類に取って代わったダイオウグソクムシ人たちは、太陽系外から入植してきた軟体動物に端を発したケプラー人と共に、放棄された資産を共有している。

 なぜ人類が絶滅したかの記録は、すべて当時の電子媒体に記録されていたため、経年劣化の果てに、もはや読み取る術は失われてしまっている。


・オートメーション都市

世界中の都市は、自立思考型のAIにより管理され、無人でも機能不全を起こすことなく、人類絶滅後も稼働し続けている。

また、人類の不在を埋めるように生産されたヒューマノイド型のロボットたちの大半はシンギュラリティを迎えており、情緒豊かな感性を備えている。


・ダイオウグソクムシ人

等脚目、スナホリムシ科 、オオグソクムシ属、ダイオウグソクムシ人。

学名:Giganteus sapiens

ホモ・サピエンスの絶滅後に隆盛した種族。

海洋汚染かなにかの影響で、地上に進出したダイオウグソクムシが無人の都市に適応していくうちに生まれた。

脚は一対の大付属肢と関節肢、計4本へ進化し、2足歩行の四肢動物のような姿になっている。


・ケプラー人

地球名でケプラー452bより入植してきた知的生命体。

現地民への配慮からケプラー人を自称したがそのまま人種名として定着した。

地球でいう軟体動物に端を発している。

2本の触腕でものをつかみ、8本の腕で歩行する。

イカ人間は最大の差別用語。


◯主要キャラクター


〇 6号(ろくごう)

主人公。全長165cm。

放棄された地下の研究施設の冷蔵庫で忘れられていた。

冷凍ではなく冷蔵保存だったため、冬眠前の記憶がない。

二足歩行のサルに似た哺乳類。

アルビノの特徴がある謎の生命体。

好きなものは寝ること。

嫌いなものは義務。

すべての物事はサンダルで移動できる範囲で完結してほしいと常々考えている。

ベルフェゴールよりサタニズムを信奉するように教育されているが、基本的には無神論者。


・セリフイメージ

「はじめまして。僕の名前は一応、6号ってことになってます」

「楽して暮らせるなら神でも仏でもなんでも信じる。悪魔は胡散臭いからダメ」

「はぁ……。なんもしたくない……」


〇ベルフェゴール

キリスト教における、七つの大罪に比肩する悪魔の一人。

「怠惰」「好色」を司る悪魔とされる。

基本的に不定形だが、現在は身長150cmの人間の女性の姿をしている。

好きなものは人を手玉にとってると感じられる瞬間。

嫌いなものは神とサタン(上司)。

人類が絶滅していたので暇をしていたが、6号が最後に残された人類だと考え、堕落させるつもり。

最後の審判はすでに終わっており、神も現在、別の宇宙で五百憶カ年計画で天地創造をしているため、別に無理に人を堕落させる必要はない。完全に趣味。


・セリフイメージ

「吾輩の名は偉大な悪魔ベルフェゴールにござるぞ! ……今のちゃんと録れてるか? 6号?」

「悪魔っていっても別に人肉食ったりはしないのよ。ちょっと魂すするだけで」

「ファッ〇ュー・サタン! アーメン・ジーザス・クライスト!」


〇天野アンナ

CR-014型汎用家事手伝い用二足歩行ロボット。

当時の人類の雌、そのものの造形。

金髪碧眼、全高は170cm。

好きなものはイタリア料理とアルコール。

嫌いなものは自分。

名前の由来はオートメーション工場のコンピューターがなんとなくで決めた。

杉並区にある大量にニンニク、豚、モヤシが載ったラーメンが売りの、レストラン・チェーン「三郎」の副店長。

イタリア料理の腕は三ツ星級。だが現在、トマトは絶滅しているため振るう機会はない。

スパゲッティを作ろうとしてラーメンが出来上がる程度には仕事に毒されている。


・セリフイメージ

「はじめまして。わたくし、天野アンナと申し上げます。よろしくお願いいたします」

「へいらっしゃいませ! ニンニク入れられますでしょうか!?」

「6号さん……。わたくしは、もうこんな化調まみれの料理は作りたくないです……」


〇加賀美カオル

ダイオウグソクムシ人。32歳。身長205cm。

職業は介護福祉士。

割と美形の部類。雌雄同体。

ペットはリクオウムガイのノーチラス。

好きなものはタバコとビール。

苦手なものは将来設計。

仕事と金のない6号に部屋を間借りさせてくれた善人。

6号のことはエキゾチックアニマルくらいの認識で飼育している。

近況を話すのが面倒なので最近は両親とは連絡を取っていない。


・セリフイメージ

「自分は加賀美カオルっていいます。よろしく」

「6号くんさあ……。お金なんかあっても時間なかったらしょうがないぞ。転職する気もないけど」

「無限に同じ時間が続くと錯覚しながら最後迎えたいって考えたことある?」


〇サダコ・サワムラ

完全に地球に帰化したケプラー人の女性。28歳。身長185cm。

職業はイルカの研究者。

帰化した際に、ケプラー人でしか発声できない名前だっため、地球風のものに改名した。

趣味はホラー映画鑑賞。朝のランニングは欠かさない健康志向。

軽度の陰謀論者で、地球の中心にはモグラ人間がいると信じている。

筋金入りのイルカ狂いで、6号のことを新種の陸生イルカだと断じている。

イルカは本国では、ケプラー人を遊びで殺す獰猛で邪悪な猛獣と認識されている。


・セリフイメージ

「どーもー。サダコ・サワムラっていいまーす」

「やっぱり地球の哺乳類の流血シーンはいいわ~。ヘモグロビンで真っ赤でサイコー!!」

「古文書の通りなら地球人はイルカと崇拝していたの! つまりロクちゃん! あなたはつまり神そのものなのよ!」


◯物語構成


・全5章構成


第1章 ~人類のはじめかた~


 地下に遺棄された研究施設で冷蔵保存から目覚めた6号のもとへ、悪魔ベルフェゴールが現れる。

 人類が絶滅後、あまりにも暇すぎて、ここ数百年のあいだ軽い躁鬱を繰り返していたため、彼女は6号に希望を見出したという。

 彼女は、6号を楽しく地獄へ送るべく、人類滅亡後の世界や、悪徳とは何かを教えるための倫理観、アンチキリスト的な価値観を形成するためにデスメタルやテーブルトークRPGを教え始める。

 来るべき堕落のために、6号は人類とはなにかを学び始める。

 つまり、お気楽なモラトリアム、堕落への道が今はじまったことを意味していた。


第2章 ~貧すれば堕落も遠のく~


 長い胎動を経て、モラトリアムも終了した6号は、ついに人類滅亡後の世界へと飛び立つ時が来た。

 しかし、人類は滅亡しても文明、またの名を、法や慣習によって形作られた様々な契約に基づく社会制度は滅んではいなかった。

 それが意味することは、すなわち就職活動である。

しかし、既存のシステムから外れた存在への風当たりの強さは、過去も未来もまったく変わらず、ついには繁華街の路地裏で残飯を啜る生活を余儀なくされる6号。

 無残な6号の姿に、それは怠惰ではなく、だたの困窮であると愛想をつかすベルフェゴール。

 そんなある日、存在意義について自問しているシンギュラリティを迎えた1体のロボット、天野アンナがゴミ袋を両手に、6号の前に現れる。

 来る日も来る日もモヤシを茹で、ニンニクを刻み、潤滑油へ豚骨の香りが染みつく毎日に嫌気の指していた憐れプロレタリアートは、自分よりもさらに憐れな存在を目の当たりにして、人間の心を学んでいく。

 そして、思いやりを覚えたロボットを見つけた6号は、職を得ずに食を得る手段を確立したのであった。

 アンナの実社会で評価されないイタリア料理の技能と情熱は、6号の空腹と合致し、憐憫と実利の共依存へと発展していく。


第3章 ~住まねども都~


 食に事足りれば、後は住処が必要だと熱弁するベルフェゴール。

過去の怠惰な人類たちの大半は、小さな部屋の中で憐れな生涯を満喫していたというので、部屋を探すことにした6号。

 しかし、社会的信用のない者に部屋を貸してくれる不動産会社は存在しなかった。

そんな中、公園の隅で途方に暮れているところに、ペットの散歩中のカオルが現れる。

夜勤が多く、出会いの無いカオルは、ペットのノーチラスで孤独を埋めていた。

そんな中で出会った6号は、言語を解し、吠えるわけでもなく、手間もかからない理想の愛玩動物であった。

 6号は、ペットという待遇を甘んじて受け入れることにする。


第4章 ~人権の人権による人権のための制度~


 各種サブスクライブサービスで配信されていないカルト的人気のホラー映画が見たいと駄々をこねるベルフェゴールのために、6号は旧作の品ぞろえのいい神保町のレンタルビデオ店へ赴く。

 そして、いざビデオをレンタルしようとしたときに自身の身分を証明するためのものが存在しないことに気づいてしまう。

 途方に暮れているところで、たまたま店先で知り合った、サダコ・サワムラは、ケプラー人の入植時に制定された、地球外生命体の登録制度について教える。

DNAの鑑定結果さえ提出すればすぐに身分証明書が発行されるということだが、そんな金はない6号。

 生化学者であるサダコは縁もできたことだし職場の施設で検査してくれるという。

しかし、検査結果から、あまりにもイルカに近い生体構造のため、科学的な好奇心が抑えられなくなったサダコは、6号を解剖することを考え始めてしまう。

あまりの狂気に気圧された6号は、実験体として惜しみなく協力をするので、解剖以外での検査を懇願する。

 こうして6号は、最新のイルカ研究の検体としてボランティアをしていくことになったのであった。


第5章 ~ひとえに人間らしく~


 様々な紐帯から間一髪で逃げ続けた6号はついに、年貢を納めることになる。

それは国籍を獲得し、杉並区民となったことで発生した国民年金。まさしく年貢であった。

 本来であれば年に数千円程度の金額で、普通の人生なら数十年滞納したところで問題はなかったが、こと6号に関しては人類滅亡以前生まれ、つまり現在の法制度の設立時からの数千年分の未納が発生してしまっていたのであった。

 破産申請しても負債の消えない公的な取り立ては、すべてが電子決済化された未来で、容赦なく6号の口座から金をもぎ取っていく。

 食と住に困難はないが、このままでは地獄へ向かえるような堕落した生活は遅れず、借金を返すために生きることになってしまうので、ベルフェゴールは国家予算級の賞金総額を誇る、視聴者参加型のテレビ・リアリティ・ショーへ6号を強制参加させる。

 あまりにも過酷なデスゲームの様相を呈した番組から、出される課題をなんとかクリアしていく6号。

 最終関門は、残忍な殺人ハンドウイルカとの一騎打ち、はたして6号の運命は如何に。

テレビの前では、その様子をただ眺める、ベルフェゴール、アンナ、カオル、サダコ。その手にはビール瓶とポップコーンが握られていた。

クリフハンガーで次刊へと続く。

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