ナントカ集落殺人事件・・・ミステリーが書けない
@windrain
前編
中学生の頃まで、よく推理小説を読んでいました。でもその後、そのジャンルからは離れてしまいました。
特に理由はなかったと思うのですが、テレビドラマで「刑事コロンボ」などが放映され、後には「古畑任三郎」が放映されるなど、ドラマの方が面白くなったのかもしれません。
今は「推理小説」という表現は古いんですかね?「ミステリー」の方が一般的なんでしょうか。
かつては、子供ながらに「自分も推理小説を書いてみたい」などと考えたものです。でも、謎解きのトリックを考えるのは難しかったです。たった一つだけ思いつきましたが、トリックが弱く、作品化できませんでした。
それから数十年が経過し、私はある夢を見ました。普段から眠りの浅い方なので、夢はよく見ますが、あんな悪夢は初めてでした。
惨劇の始まり・・・それはまるで、ミステリードラマの冒頭シーンのようでした。
これを作品にできないか、考えてみました。試しに冒頭部分を描いてみましょう。なお、登場人物は仮名です。
※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※
駐在所の佐藤巡査は、月夜の夜道を自転車で走っていた。
「何だってこんな時間に・・・」
彼は愚痴りながらも、ほぼ全力でペダルを漕いだ。こんな任務は、さっさと片づけるに限る。
地元選出の高橋県議会議員の妻の父母が、今向かっている集落に住んでいるという。その父母と昨日から連絡が取れない、様子を見に行って欲しい、と本署を通して依頼があったのだ。
その集落は、駐在所から自転車で十分ちょっとのところにある。パトカーで行った方が早いが、集落の入り口は幹線道路から脇にそれた道で、車の交差にも困る細道だ。
退避スペースがないわけではないが、夜間は見えにくくて脱輪の恐れがある。だから自転車にしたのだが、夏の夜はこの時間でもまだ暑い。風呂上がりだったが、帰ったらまたシャワーを浴びなければならないな、と彼は思った。
確か高橋さんの家はここだな。彼は懐中電灯で表札を確認した。間違いなさそうだ。次に腕時計で時刻を確認。現着午後九時十六分。
窓から明かりが漏れていない。お年寄りの家だからな、もう寝たんじゃないか?
玄関に呼び出しチャイムがあった。押すと、中でチャイムが鳴っている音がした。でも反応がない。もう一度押してみた。やはり反応はない。
困った。まさか急病で倒れているとか?いや、二人とも倒れているとは考えにくい。どうする?安否確認できなければ、帰れないぞ。
どうしたものかと考えていたとき、彼はおかしなことに気づいた。
月夜だから辺りがよく見えるが、隣の家も、その隣の家も、家の中は真っ暗だ。
みんな寝るのが早すぎないか?いや、この集落は確か独居老人世帯が多い。あり得るか。
この集落は山のふもとにあり、道路沿いの家屋の裏手はほとんど林だ。
彼は道路を歩きながら家屋を確認したが、どれも明かりがついていない。
何かおかしい。
その瞬間、一陣の風が吹いた。そして林の中から、ギシギシと枝が軋む音がした。
まさか熊じゃないだろうな?彼は懐中電灯で林の方を照らしてみた。
何もいない。いや・・・。
そのとき、懐中電灯に照らされた空間の中で、何かが上から下に落ちた。
彼は、辺りをうかがいながら恐る恐る林の中に入り、落ちたものを探した。
・・・靴だ。でもどうして?
上を見た彼は、息を呑んだ。
人がぶら下がっている!
首つり自殺か!?でもおかしい、自殺にしては吊されている位置が高すぎる。
ほぼ真下のこの位置からは、吊された人の顔が良く見えない。彼は、少し離れて懐中電灯で照らしてみた。すると、広がった視界の中に現れたのは・・・。
別の木に吊された、別の死体だった。
そのおぞましい光景に総毛立った彼は、思わず周辺の木を照らしてみた。すると・・・。
おびただしい数の、吊された死体。
彼は腰を抜かしてしまった。ガタガタと震えながら、胸ポケットから何とか携帯電話を取り出し、震える声で本署へ応援を依頼した。
※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※
どうでしょうか。ちょっとはミステリーっぽく書けてたでしょうか。
あるいは、「これ、どこかで見たことがある」と感じた方がいらっしゃいましたら、お知らせください。
私もどうしてあんな悪夢を見たのかわからないし、もしかしたら出典があるのかもしれませんので。
さて、このミステリーのこのあとの展開をどうしたらいいのか、後編で考えてみましょう。
※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※
後編は、明日中にアップする予定です。
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます