ミステリー風味 本編を読んで★を! の巻

 彼の英雄について、幾つかの証言を得たのでここに示す。謎多き英雄の実像に迫る一助とされたし。


・酒場の女給による証言

「え? そうねぇ。いつもそこのカウンターに座って、『この味が分からん奴に用は無いわい』なんて言ってたよ。冒険譚が聞けなくなって今は少し淋しいかな」


・とある患者と元患者の補助員による証言

「あん、何だって? 今こっちはそれ処じゃねぇんだよ!」

「――……バ……ババン……バンバン……」

「良し、始まりやがった! で、英雄嬢ちゃんか? そりゃ、この薬を創った俺達の大恩人だな!」

「――バンバ♪ バンバ♪ バンババン♪」

「踊れ踊れ! はは、妙な光景だろう? だがな、英雄嬢ちゃんには馬鹿な真似すんじゃねぇぞ? その瞬間俺らも敵に回るのさ」

「――ババン♪ バババン♪ ババ――くはっ」

「良し、良~し! よく頑張った! その痛みは英雄嬢ちゃんの慈悲だ! 良っく感謝しろよ!」

「あ、ああ、叫んでる、息をしている、血が通ってる! 聖女様、有り難うございます! 有り難うございます! 聖女様!」


・国王による証言

「む、我にも聞くのか? ふむ、彼奴には我に遠慮無く接する権利を与えているな」


 彼の者を指し示す言葉からは杳としてその実態は捉え切れず。

 故にここで筆を置き、詳細は皆様の目で確かめて頂くのが良いと思う所存也。


~※~


「おお……謎の英雄ですよ!」

「何だこれは? こんな戯言では何も分からん」

「いいんですか? 王様も言葉を寄せていますよ?」

「何? ――お、お前、陛下に何をしたのだ!? ちっ、本編を読まねば分からん!」

「百話ぐらい読まないと分からないかも知れませんねぇ~」

「何だと! ――くっ、お前達も読むなら本編を読むがいい。それで此奴の本性も瞭然だ! そして出来れば★の数で此奴への評価を叩き付けてやれ!」

「あー! そ、そんな事を言ってしまうのですかね!? 冒険者の評価はランクだけです。★の数で私は何も変わらないのですよ!」

「今から負けた時の言い訳か?」

「そんな事を言っていいのですかね? ちょっとレビューを見て下さい?」

「何?」

「ふふははは! これは初レビュー記念ミステリー風味粗筋なのですよ! ★で勝負を掛けてきてまんまと吠え面をかけばいいのです!」

「こんな物は粗筋では無いわーっ!」


 という事で、本編へゴー! なのですよ!

  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る