誘惑の君へ~届かぬ想い~
たから聖
第1話 出逢い。
今日も、死にそうなくらい嫌な
一日が終わろうとしている。
伊吹セイラは名前は美しいのだが
異性関係は、年齢=彼氏ナシ歴
だった……。
セイラは、いつもからかわれていた。
『セイラって、ブスじゃね?』
『あのブタ野郎は、一生独身だね?』
『デブで、ブスって最悪~WW』
セイラは感受性が豊かな分、
そのむげに吐かれる言葉の数々を聞くたびに、
心を痛めていた。
そしてセイラは、思うのである。
(私だって、綺麗に産まれたかったよ。泣)
いつも下ばかり向いて、
暗い性格にまでなってしまった
セイラは、
いつしか現実逃避する思考に
なってしまっていた。
『私にだって、いつか可愛いよって言ってくれる人が
表れるわ。そうよね?』
悲しみが深すぎて、涙も枯れた
セイラは、ある日
気晴らしの為に、本屋さんへ
立ち寄った。
そこで、出逢った一冊の本を
何気なく手に取ると、
セイラは、本の中身を凝視し始めた。そこの中に書いてある景色は
お姫様、カモーン!!
初回500円で、イケメン選び放題!!!
と……書いてあった。
セイラはその本が、とても興味深くなり欲しくなってしまい、
お店のレジの人に顔を隠して
ホストクラブ特集の本を購入したのだった。
それは、季節は冬の事……
もうすぐ、世の中は
クリスマスイブになろうとしていた。
セイラにとっては、ホストクラブは王子様ばかりだわ!
と目を奪われる程に、
美しい見た目の男の人達が、
たくさん写真に掲載されていた。
セイラは、自宅まで、
その本を大事に抱えて部屋へと
急いだ。
ベッドの上に、勢い良く
転がると……セイラは本をドキドキしながらもページを開くと
いきなりのキラキラ光る世界に
セイラは吸い込まれる様に
本に釘付け状態に、
なってしまった…………。
『うわっ。カッコいい!!
この人……。』
セイラが選んだホストは、
店内でのデートのみ。と強気な姿勢の営業だった。
《NO.1歴代の記録、塗り替えた
男の中の男!!風斗!》
セイラは、風斗の顔が素敵過ぎて
いつの間にか恋に落ちていた。
ホストクラブの場所を
スマホで調べてみると……
セイラは、ドキンドキン、と
胸が高鳴った。
セイラは、風斗の全てに恋して
しまったのだった。
(どうしても。風斗君に逢いに
行きたい!!!)
その頃、風斗は少しだけ
嫌な予感がしていた。
風斗はオープン前にソファーに
座り、爪を磨いていた。
風斗の悪い予感は、大体的中してしまうのだが。
余り深く考えなかった。
またしつこいのが来るな?
と……風斗は予想していた。
NO.1という宿命なのだが
ただでさえ風斗は目立つ。それに
魅力的過ぎるが余りに、
アフターも、同伴も禁止をされていたぐらいだ。
朝飯前の風斗は、
本に載るたびブス相手
しなきゃいけねぇの…………
そろそろ辞めたいよな?と、
寒気までしてきた風斗は、
キャバ嬢の客に買ってもらった
高い毛皮を店内で
着込んでいた…………。
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