絞首
掴まれる顎
狭まる気道
喉より大きい両手
熱さを帯びる掌
緩めた握力から
ひゅうと吸い込める空気
それすらも追って塞ぐ
力を込めた太い指
おそらく私は
涙の中で笑っていた
相手を眺め
歪めて笑っていた
相手は私を笑っていた
定まらない私を笑っていた
垂れる私のよだれに
薄ら笑いをもらしていた
空気が足りない
身体が酸素を欲する
喉から異音が始まる
首から両手が外された
供給される酸素
視界が鮮やかに戻る
相手は私に問う
「わかったのか」と
私は答える
「わかったんだ」と
真っ直ぐに
歪んだ
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