春夏秋冬・井戸端会議

「あのー、夏生さん。そろそろ出番代われませんか?」


「しょうがねぇだろ、秋彦!こっちだって引っ込みたいのによぉ、なんか上手くいかねぇんだよ~」


「もう9月ですよ? そんなに頑張らなくても。農家の皆様も困ってらっしゃるじゃないですか」


「そんな事いってもよぉ… 俺もひっこみてぇのよ…」


「そうじゃぞ、夏生。近年、おぬしばっかり出張っては、わらわの出番も短くなっておるのじゃ」


「これはこれは、春子さんじゃねぇっスか。あんた出番まで休むって言ってたのに、どうしました?」


「秋彦が困っておるようなのでな、おちおち寝てられぬわ。気温が同じくらいのわらわ達は、協定を結んでおるからのぅ」


「そうですよ、僕もそろそろ出ないと、木々たちも紅くなりづらいと思うんですよ」


「そうでなくても、夏生、貴様、妹の梅雨子すら今年はあまり出なかったではないか。おかげでわらわの水桜散りも、そこはかとなく微妙であったぞ」


「梅雨子はどうも、キャンプ動画にハマっていまして…引きこもって、俺ばっかり出させてたと言うか…だからキャンパーも活発というか…」


「梅雨子はなにをしてるのじゃ…」


「そうよー!冬キャンだって流行ってるじゃないの!秋彦くんの出番が終わらないと、私だって活躍できないのよ!」


「おや、冬美さん。大丈夫ですか? 夏生さんが力を発揮している今、あなたが起きて来たら、体が溶けちゃいますよ?」


「黙ってられないわよもう! 夏生! 早くひっこめ!」


「いやちょっと、みんな、俺が悪いように言わないでくれねぇか!?」


「まあまあ、冬美さんも落ち着いて。まずは僕が出ないとね…紅葉もいつにしたら良いのか…」


「米農家が困っておるからのう…このままでは不作だと嘆いておるぞ。作者の知り合いの米農家たちは、今年は稲刈りが早いと愚痴っておる」


「読書の秋、食欲の秋をもたらしたいのですがねぇ…やっと夏の風物詩が終わったのに、微妙に高い気温のせいで、蚊も活発化してるとか。秋に蚊が強いとか、もってのほかですよ」


「…も~、みんなくっちゃべってるから、落ち着いて動画も観れないじゃない~」


「あ、梅雨子! やっとねぐらから出てきたか!」


「といっても、あーしの時期は終わってるしぃ…秋彦くんさぁ、一緒にやってみるぅ?」


「ん?あんた、なにするつもりよ?」


「冬美ちゃ~ん、要するに、秋雨前線呼べばいいんでしょ~?」


「ああ、なるほど。強制的に夏生さんを退かせばいいんですね」


「あー、俺からも頼むわ。俺も夏バテ気味だっての」


「陣取ってるくせに、尻拭いを他の季節に頼むとか、情けないわねー! しかも自分の熱気で夏バテとか、アホなんじゃないのー?」


「冬美! うるせぇ! おまえはカマクラに戻れよー!」


「はいはい、負け犬の遠吠え乙ー。じゃ、またねみんな~」


「なんとかなりそうじゃの。わらわも眠りに帰るぞよ。後はまかせた。」


「冬美ちゃんと春子さん、いっちゃったね~。じゃ、秋彦くん、いっちょやる?」


「すみません、力不足で。梅雨前線とは方向が逆なのに。お言葉に甘えて、雨雲呼ぶの、お手伝い願います。」


「俺を休ませろー!頼むぞー!」


「兄貴うるさい~ちょっと黙って~!」


「今です! 梅雨子さん! いきましょう!」


「「せーの!」」


「「前線!カモン!」」



【日本天気ニュース 2023年】


日本海に秋雨前線がのびるでしょう。

9月18日には太平洋高気圧ののびが強く厳しい残暑が続く見込みです。

9月19日以降、太平洋高気圧が弱まるでしょう。

秋雨前線が南下し本州付近も雲が広がります。

残暑が落ち着くでしょう。

  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る