第六作 別詩 欲

この口唇が

欲しいですか

この口唇に

触れたいですか


誰にだって

差し出しましょう

所詮は皮膚の

重なり合い


それでも

この口唇の

出づる言葉は

含める温度は


激しい欲望

黄色の願望

目に映る赤

秘めた静けさ


私が認める

貴方の全て

私が焦れる

貴方の口唇


貴方が欲して

貴方が噛んで

貴方の指先で

貴方の口唇で


そして貴方を

全て食べたい

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