イノナカノカワズ詩集

哉子

四字朗読詩

第一作 氷炭相愛

集めた薔薇の残骸

踏みつけられた跡

新たな花を捧げ続け

当たり前と思い込む


薔薇を手折り纏め

身を傷つけ続け

それすら強く愛おしく

愛の証拠と酔う


言わない何も言わない

繋げて全て繋げて


蔑む眼だろうと

見てくれるなら

虚しい意味を

込め続ける


集めた薔薇の残骸

香りを楽しんだその先

枯れた花に興味はない

新たな香りを求める


愛される存在意義

その為に居続けた

捧げられる愛の香

受け取るのが俺の情


聞かない何も聞かない

留まれここに留まれ


哀れだと眺める

縋りたいのか

意味などない

受け続ける


破綻が来るのは必定

刹那だと悟りながら

互いに理解し合い

互いに自慢だった


覚めたなら戻らない

積んで 繕い 壊しあい

互いに被害者だと

互いに罪を擦り付け


罪などどこにも

有りはしないのに


残るは虚愛の跡

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