ガソリンX

エリー.ファー

ガソリンX

 たった一杯の水を砂漠に与える。

 間違いは許されない。


 その車に炎上はつきものだ。

 野生を分けてくれ。


 成人男性が一人だけ浮かび上がっていく。

 僕らは見て見ぬふりをした。


 世界が壊れる音がする。

 祝砲である。


 赤い雲の中に悪魔がいる。

 水の中に死体を発見した。


 烏がやってくる。

 僕の姿によく似ていた。


 白い泡を願いの形に変える。

 王国が消えていく。

 

 失踪する叫び声が僕を壊してしまうだろう。

 嗚呼。


 エンジン音を聞きたいのさ。

 諦めきれなかった君の可能性を叫んでおくれ。


 モーターの音が聞こえなくなる。

 情緒が削れていく。


 二酸化炭素が僕を侵食していく。

 言葉と愛に近い。


 保存と記録を繰り返す。

 物語は産声を上げた。


 作り手の心を削り。

 受け手の手を削り。


 叫び声は白く塗り固められたのだ。

 黒い光線銃より。


 季節と日本語には雲がよく似合う。

 タイヤの色を教えておくれよ。


 付箋を投げてくれ。

 口でとってみせるから。


 緑色の物語。

 競争するための協奏曲。


 失笑が必要だ。

 無色透明がいい。


 偶数には壁がある。

 奇数との間には虹が見える。


 発光体を落としてくれ。

 強い闇が一番だ。


 凍えて殺せ。

 撃ち殺してしまえ。


 平行棒の幽霊がいる。

 確率論だけは常識的だ。


 水筒の中の毒。

 階段に潜む大型犬宛の手紙。


 百から始まるリズムが良い。

 青い島に住む時間が欲しい。


 金属と玉子酒の融合を見せてくれ。

 橙色を愛せない。


 紙に埋もれる夢を見た。

 一生に一度の願い事を君に。


 素面ではいられない。

 涙声ではいられない。


 金曜日に殺しておくれ。

 土曜日には蘇らせてくれ。


 ボールペンが僕を見ていた。

 僕は何もかも忘れてしまうだろう。


 必死に生きた証が欲しい。

 嘘にまみれた勲章でもいい。


 世界が僕と繋がろうとしている。

 幻の中だから夜明けを忘れられる。


 モルヒネはありますか。

 ないならないで別にいいです。


 誕生日を鉄棒に変えてください。

 その後のことは考えていません。


 雪が黒くなる。

 オープンカーに乗せる前のことだ。


 子どもを数える呪い。

 卑怯者のくせに。


 サングラスの似合う雪だるまが一番良い。

 兵士の声が聞きたくてしょうがない。


 帝がいる。

 両腕を失って欲しい。


 鼠ではない。

 蛙でもない。


 スタミナ丼を食べたい。

 麻婆豆腐も食べたい。


 わかめスープが大好きです。

 凍てついた麦茶が最も優れている。


 神様と花束から送られる近未来の香り。

 絶望の天気。


 ピザが食べたい。

 そのために黄金の人参を買ってください。

 

 おかっぱ頭の殺し屋。

 前髪がストレートなだけ。


 憎しみを眼鏡に添えて。

 初詣を愛するべきだと声高らかに叫ぶ。


 続きなどない。

 終わりなどあるわけがない。


 刺身を電気に変える魔法が好き。

 僕のことを無視して欲しい。


 卵を投げつけてくれ。

 机の上に産み落としてくれ。


 チーズをキーボードに乗せてください。

 お願いします。


 お寺にアルファベットを並べる仕事をしています。

 罰当たりだと怒られました。


 黒く塗りつぶしたホットドッグ。

 貰い物。


 時計台に連続殺人鬼。

 季語は存在しない。


 お醤油に吹き出しを授ける。

 覚悟はいいか。


 水辺のペットボトルが人間の形をしている。

 嘘ではない。


 病がやってくる。

 不都合な真実が整えられている。


「意味不明な言葉ばかりですね」

「言葉とは本来。いや、やめておこう」

「おやすみなさい」

「あぁ、おやすみ」

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