【詩】やさしき人よ
僕は運命を否定せず、
運命の力を信じることによって、
意志を強くし、半ば逆説的に、
自らの道をきりひらいてきた。
しかし、意志の力が通用しないもの、
つまりは自分ではない者のこころだけが、
僕を打ちひしがせる。
やさしき人よ、
夕焼けをみていたいのだ。
この世の終わりのような空の色、
そのあとに濃紺の潤う夜が来る。
そして僕は、慈しみのことを思い出すだろう。
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