クラスメイトの美少女と無人島に流された件

桜井正宗

第一部:無人島生活

無人島に流れ着いた

 修学旅行は離島らしい。

 わざわざ船に乗っていく必要はあるのか。しかも、台風も近づいているって天気予報で言っていた。なのに。


「……退屈だ」


 その日、台風が直撃して海上は大荒れ。

 船は妙な動きを繰り返し、ついに傾いた。


 ……嘘だろ。


 まさかタイタニックみたいに沈没しないだろうな!


「た、大変だ! 船が沈むぞ!!」


 先生がそう叫んでいた。

 お、おいおい!!


「救命ボートがあるらしい。そこへ向かうぞ」


 もう一人の先生がそう言った。

 急いで向かうしかなさそうだ。


 だが、船はあっと言う間に反転していく。


 ……やべえッ。



 ――気づいたら、俺は闇の中――



 ゴボゴボと海水へ落ちていく。


 クラスメイトが飲み込まれていく様を見て……俺は意識を失った。



 ◆



「――――ハッ」



 目を覚ますと頬が熱かった。チリチリ焼けるような熱を感じ、起き上がった。


 どこだ、ここ。


 周囲を見渡すと綺麗な砂浜だった。まるで海外みたいな。


 しかも、俺の隣に誰かいた。……これはクラスの女子じゃないか。この特徴的なロングヘアは……誰だっけ。顔は覚えていたけど名前が思い出せない。



「……ん、んん」

「おい、君。大変だぞ、なんか島に流れ着いたようだぞ」


「え……ここ、どこ? わたし、なんで……って、えっ!?」

「気づいたか。俺たち、あの船が沈んだあと、ここに流されたらしいぞ。漂流だ」


「え、え、ええ……」



 信じられないと、名前不明の女子は驚いていた。

 俺だって信じられないさ。

 けど、これが現実。

 頬を引っ張っても夢ではなかった。


 俺たちは孤立したっぽい。


「ぱっと見た限り、無人島かな。ちゃんと見たわけではないけど」

「きっと誰かいるよ……助けを求めに行きましょ」

「そうだな。もしかしたらってこともある」



 名の分からない女子と共に周辺を歩くが――なにもなかった。



「「…………」」



 二人で絶望して沈黙。

 まさか、人っ子一人いなくて、漁船ひとつもないとは。ここはガチの無人島らしい。



「どうする? なんとかさん」

「その、なんとかさんって何。わたしは天音あまね まなよ。早坂くん」

「なんだ、俺の名前知っていたんだ」

「そりゃ、クラスメイトだもん。ていうか、わたしの名前は憶えてくれていなかったんだ」


「接点がなかったし、俺はぼっちだからな」

「あー…ごめん」


 そんな目で俺を見てくれるなっ!

 まぁ、しかし名前が分かった。


 そうか、天音さんか。

 名前はまなというのか。案外可愛い名前だな。


 天音は、アイドルのような容姿で黒髪ロングヘア。かなり上位に入る美人ではないだろうか。


 しかも巨乳で美乳。

 それでスタイル抜群とか反則級だ。


 まさか、こんな女子と漂流できるとはな。


 いや……現状を考えると複雑だが、ちょっぴり嬉しい。



「――って、そうだ、天音さん。スマホだよ!!」

「あ、そっか! 早坂くん天才じゃん!」


 ちょっぴり褒められて俺は嬉しかった。

 とにかくスマホで救援を…………え。


 スマホの画面を見て俺は嫌な汗が垂れた。



 ……【圏外】……だと!?



 うそおおおおおおおおぉ……!!



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