8話


『ほら!そこだ!こっちの方が判定上!』


『よしナイス横強!スマッシュなんていらねぇ!』


『I'm Winner!!!』



俺は現在S◯itchの大乱闘スマッシュシスターズを視聴者参加型で行なっていた。というのも参加型のゲームを募集したときにこのゲームの要望が強くあったからだ。



コメント

:え、うまいんだけど…

:凄い…惚れました!

:タイトルのスマッシュ要らない扱い受けてて草

:私自意識過剰だった…練習しよう

:晴虐は…??どこ…??

:誰か倒してくれ…

:くっ…絶対にわからせてやる…!!



そして現在無傷の5連勝。

初めは晴虐を見れる!と楽しそうにしていたリスナーも今では亡霊のように彷徨っていることだろう。


リスナーのことだ、俺の負けるところを想像して来たのだろうが残念。俺は前世でもこのゲームが得意中の得意だった。流石にプロ並みとはいかないもののネットの勝率は9割越えていたほどだ。



――初心者相手に負けるわけが無い。



『あれれ~どうしたのかな~?かな~?』


『自信満々に乗り込んできて負けるとか…ブフッ!ごめんごめん!』


『しょうが無いな~次で最後だからもし勝てたら何でも言うこと聞いてあげるよ~ まあ無理だろうけどねっ!』



そう言ってリスナーを煽る。

これまでの時間で煽ったりしても問題ないとわかったのでノリノリだ。

解らせるつもりだった側が解らせられるのは楽しすぎる!




コメント

:クソ…ガキ…が…!!

:お前なんか…お前なんか…

:くっそ…顔が格好いいのがむかつく!!

:解らせたい…私が主だと……滾るっ!

:ぶっかけたい…その綺麗な顔に…!!



少々下ネタも混じってくるが配信前に俺が許可しているのでアプリの運営側からBANされない限り大丈夫だ。

下ネタは良いコミュニケーションツールだと思ってるからね。リスナーも喜んでくれた。


『じゃあラストいくよー!』


いつの間にか配信を始めてから1時間半が経過していた。

配信ではスマシスをしながら途中途中で雑談をしたりしていたのであっという間だった。


未だ明確な配信日は決めていないがこの分なら毎日でも出来そうなのが怖い。さらに先ほど運営に収益化の申請をしたので明日あたりには出来るようになるかも知れない。楽しみだ。



『最後の相手は…「第一村人」さんだね! よろしく!』



コメント

:来た勝った

:遅いぞ……ふぅ……ヒヤヒヤしたぜ

:はい勝ち



何やらコメントが第一村人さんに反応していた。

何か有名人なのだろうか…。風向きが明らかに変わった。



…ん?第一村人?それどっかで――



『――あ、もしかして第一村人って俺に配信者を薦めてくれた人?! 』


コメント

:そうだよ

:yes

:うわ、認知されてるよ…

:すげぇ…

:流石我らの第一村人さんだ…

:ニートなのに…

:え、それマジ…? 本当なら何者だよ第一村人さん

:誰か解らないけどありがとう!!



どうやら合っていたらしい。

あとニートなのかよ…。



『やっぱりか! ありがとう第一村人さん! 俺正直あのメッセージ読んでなかったら配信者やってなかったと思う!本当感謝してる!』



これは本当だ。

貰ってみて初めてファンレターは嬉しいものだと知った。



コメント

:泣けてきた

:何者だよ…第一村人…

:普通に凄いな

:【第一村人/ニート】光栄です!あの時勇気出して良かったです!

:本人来た

:私からもありがとう!

:ありがとう!

:ニート草

:はぇ…ニートって凄いんだな…


コメント見ていたら本人がいた。

名前の横にニートって書いてあるし本当にニートなんだな…。



――あ、働いてないなら丁度良いかも。



『第一村人さん対戦よろしく! ――それで、良ければなんだけど俺と一緒に働く気ない?実は起業しようと思ってるんだよね! 』


コメント

:…え?

:す、スカウトぉぉお?!

:何これ…

:嘘でしょ…

:企業する?!さらっと凄いこと言ってるよ?!

:男性社長(イケメン)

:男性社長(イケメン&配信者&エロい&優しい&下ネタok)

:↑妄想乙……って言おうとしたけど合ってて草

:絶対ホワイトだ


やはりここで言うことじゃなかったか?

でももう言っちゃったし…。



コメント

:【第一村人/ニート】すみません気絶してました。はい。お願いしたいです。たとえ無給で無休でも!

:それはブラックw  はぁ…転職しようかな

:裏山

:明日のニュースは決まったね



反応が無かったから心配していたが気絶したいただけのようだ。

……ん?人間ってそんな簡単に気絶するのか?


なかなかユーモアな人みたいだ。



『あ、うんありがとう!給料については後々話すとして……いやでもそれだと面白くないから…じゃあ俺にスマシスで勝てたら雇うということで!』


コメント

:草

:う、うんまあ…いいんじゃない?

:(もう決まってるも同然だけどね)

:(それな)

:(しっ!静かに!)



『じゃあ対戦よろしく!もちろん手加減はしないからね――』




………




……






――ボコボコにされました。



――なんでぇ。





◆◆◆あとがき


※第一村人さんが負けても雇うつもりでした。配信のためにわざとそういう風にしただけです。


※これにて主人公の会社に敏腕マネージャーが就任? やったね!



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