クリスマスに友達になった話

二髪ハル

 友達

 隣に家に住む異性の女の子がいる。

 彼女は幼い頃から病気を持っていて外に出れなく。彼女に毎日学校のプリントとか宿題を写させるために家に上がり込んでいた。

「……」

 だけど会話すらなく無言の日々は続いていく。

 12月24日。クリスマスの日だ。

 クラスの友達とかは他の家にクリスマスプレゼントを交換したりしているが俺は彼女の部屋にいた。

 すると突然、彼女の口が開いた。

「……クリスマスなんでいるの?」

「え?」

 俺が呆然としていると彼女はもう一度言ってきた。

「クリスマスだよ……。なんで私の部屋にいるの?」

「……ダメの?」

「だめってことはないけど……普通に友達の家に行ったりするものじゃないの?」

「えっ。友達の家にいるじゃん?」

「それは違うでしょ……。友達でもないのに」

「僕たち友達じゃなかったの?」

「……えっ?」

 光の顔が赤くなっていたと同時に驚いていた。

「とも、だち?」

「うん」

 俺は何度も頷く。

「えっでも友達だって一度も言われたこと……ない」

「それなら今からでも友達になって欲しい」

「私で、いいの?」

「うん。光ちゃんと友達になりたい」

 俺はスッと手を差し出しこれから友達としての握手を差し向けた。

「えっ……。うん、私の友達になって、ください」

 そして俺の手を力強く握りしめてきた。

「……ありがとう」

 その後、彼女と軽く雑談をした。

 けどやっぱり体が弱いから外で出かけるといったことはなかったらしい。

「光ちゃんが元気になって外に行けるようになったら。なんかやりたいことしようよ」

「海に行きたい……」

「海?」

 俺が首を傾けると彼女は頷いた。

「一度行ってみたい。綺麗なところだってテレビで聞いたから実物を見てみたい」

「わかった絶対に行こう」

「――っ! うん。楽しみにしている」

 彼女は物凄い笑顔になっていて俺たちは友達になった。

 

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