第7話 運転の基本を習う

多少の寒さはあるが10時前に高山の駐車場に三台並べて駐車して、朝市へ向かう

宮川にするか陣屋前にするかで相談だそうだけどと言われても意味がわからないので


「涼子さんの希望で」と逃げると 「宮川のお漬物」と涼子さん


「そうだな、久しぶりに 婆さんの漬物もいい」と男二人


向こうの四人はゴソゴソ話をして 川沿いの朝市に 連れて行かれ

散策しながら 涼子さんの指示で 漬物とかの買い物をする


お昼をどうするとなり、涼子さんが「その先の蕎麦屋で山菜そばと天ぷらで」


即たか子さんと少し離れると「黙って はい 一択」と二人でハモってしまう


二人で爆笑してると「どうしました」と涼子さん


正直に


「昨日のお昼も蕎麦なのですが、涼子さんの推薦 黙って はい 一択 とね 

 ハモってしまって 笑ってたんです」


これを聞いて ふた組も爆笑 「涼子さんのお店に」と皆で入り、美味しく頂く


「ここの蕎麦は黒いのですね」と涼子さんに訊くたか子さん


「挽きぐるみと言って、かなりの部分を挽くのですよ

 更科などは贅沢に一番粉だけ使うので白い 


 二番粉以降も使わざるをえなかった、昔の飢饉の時の挽き方

 蕎麦が美味しい→蕎麦しか出来ない→貧乏な村

 更に 挽きぐるみ 苦しんできた村のお蕎麦です」


別角度からの回答で、困惑しか無い 良平たか子組


「貧乏は置いておいて、挽きぐるみ 香りも味もかなり強い

 強い香りと味の蕎麦に会う出汁を今は創れる 美味い蕎麦だ」化け物


「そうですね、この蕎麦に会う出汁 鰹節も昆布もええだけ ここは干し椎茸まで

 醤油もみりんも贅沢に使ってますし」心太さん


かなり次元の違う会話 オープン乗りはこうでないとダメなのかと顔に出てると


「そうですよ オープン海苔は此の辺までは最低限」心太さん


「頑張れば行けるから」化け物


いやいや、あなたたちと同じ枠は無理です


「それよりさ 帰りは ロードスターが先頭で引っ張って貰って帰ろうぜ 

 ケツのパトとオービスは無線で知らせる オービスは看板があるから」化け物


「いいですね 後から見たい」心太さん


「休憩ポイントは峠屋とレストラン飛山 の2箇所ですか」涼子さん


「飛山じゃなくて 下呂金山のさ、奥飛騨酒造に寄ろうぜ 

 涼子さんは、まだ呑めるし2本位は奢るよ ただトランクに入らないから

 一升瓶抱えての ドライブ」化け物が笑う 


向こうの三人は想像が出来たようで、爆笑してる


「41で名古屋市内に突っ込むと 渋滞なんで 飛水峡のエールで

 お茶して解散がいい オープンの最大の敵は渋滞ですから」


「その渋滞の中 涼子さんは1升瓶二本を抱きかかえて帰ると」


「いえ専務に持って帰って頂いて 明日専務室に取りに伺います」


「お局様の下知だ まぁしゃァ無い そうするわ」


2台は纏まっていく


「良平さん オープン乗りはエエかっこし エエカッコの運転で帰りましょう」


「それなぁ 良平さんだと かなり難しいぞ」化け物


「でもオープンで帰るんですよね これが出来ると風圧の変化もなだらかで」


「そうだけど」化け物


「でしょ やってもらわないと奥様が気の毒」


「心太くんがそこまで言うなら まず見本を見せないと」


「ここまでの登りで見せましたが」心太さん


なにを言っているのか 見本ってなんだ 混乱しか無い


「しゃあない 20㎞程は俺が先頭で走って 見せるわ そこで休憩して確認」


「それで」心太さん


先頭のPA10についてR41を南下していく 信号もほぼ捕まらず25分くらいで

休憩の無線が入る


物凄くスムーズに走れたのは理解ったのだが


「良平さん 理解った?」と訊かれても意味が解らず答えようがない


「今度は俺が」と心太さんのバーキン7の後で走っていく


やはりものすごくスムーズで楽 信号も余程前の車が居ないと止まらない

喫茶店に入るとの無線で 三台並べて停める


「良平さん 理解った」と訊かれるが これも答えようがない


「あなたとは次元の違う走り 素直に教えをこいましょう」たか子さん


「おっさん専務に心太さん 教えを」とたか子さんが求める


「たか子さんに言われたら しゃぁないな」化け物


「あのですね 俺達 ほとんどフットブレーキを使ってないんですよ 

 ブレーキランプ点かなかったでしょ ミッションの選択をしてエンブレだけです 

 基本ルートを先読みして、速度をコントロール 下りだしアクセルもそっと踏む

 それと信号も手前から青信号になるように速度調整してます」と心太さん


思い返してみると、ほぼブレーキランプは点灯していない


「ブレーキを踏んでの減速でノーズが下がる アクセルを踏んでの加速でリヤが沈む

 この加減速で乱流になる

 奥様の髪が乱れ、埃でメイクが崩れ 体感温度が寒くなるのですよ」心太さん


「オープン 男の我儘 でも 横に載せるなら最大限の配慮が出来ないと

 優しくない クソ男ですよ」心太さん


「最大限でも バーキン7ですから しょぼいですけどね」笑う涼子さん


ちょうど4 2 でテーブルが別れていたのでたか子さんと密談開始


「また次元の違う話をされた」


「もう先頭は無理です 白旗を上げて 教えをこいましょう 私からいいます」


「心太さん なにどうするのかの説明付きでの先導をおねがします

 幸い無線もありますし」たか子さん


「心太くん やってあげなさい」涼子さん


「このR41の南下 基本下り そこを理解して 無線の指示でやって下さい」


バーキン7の先頭で南下を再開


「3速 アクセルオフ アクセルオン 4速 パーシャル オフ 3速へ」


細かい指示に頑張ってついて行く


「体感温度が暖かく 乱れも減って」とインカムからたか子さんの声が聞こえる


今宵も深けたようで


ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

R41 基本ブレーキを踏まない運転で行けたのです

前の車がしょぼい事しない限りは大丈夫

オープンカーのMTで出来ましたよ

  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る