ゆめゆめ楽しいその世界
@NNN6
第1話
机の上でペンを動かす。ネタが思い浮かびペンが走るが思いつくまでに時間がかかってしまった。東雲優奈は悩んで三時間やっと手に入れたネタを大切に書き始める。
ポンっと頭に何かが当たりそのあと紙コロが跳ねる音が聞こえる。振り返れば床に丸められた紙屑が転がっている。
「はぁ~、ごみを投げないでくれる」
反対側の机で頭を抱える少女は東雲美咲、一様私の姉だ。
「うるさいわね、今悩んでいるところなの話しかけないで」苛立ちを隠そうともしない。
「なら、私の邪魔しないで」
「してないでしょ!」
「してる!さっき投げたごみ当たったし」
「知らない、アンタが避ければ解決でしょ!」
睨み合いを始める
「はい、そこまで」
ドアの方からそんな声が間に入る。
「おかえり!」さっきまでの怒声が嘘のように弾んだ声が出る。
「おかえりなさいお義父さん!」と私を押しのけて出迎える美咲
「ちょっと押さないでよ」
「押してないわよ、アンタが勝手に転んだだけでしょ」
「はい、二人ともそこまで」止められる。
「喧嘩するなって言ってるだろ」この方は私たちのお義父さん、人気小説家だ。
一瞬顔を見合わせてから笑顔を浮かべる。
「喧嘩なんかしてないよねぇ」
「私たち仲いいですから」
心にもないことを言っている。
「はぁ~、今日は外で食べようと思うから準備しろよ」
「「は~い」」
「今日は焼肉でいいか?」歩きながら聞いてくる。
「最近物騒だから二人とも気を付けるんだぞ」
「は~い」
「それって最近駅前で起きてる事件のことですか?」
最近ニュースで話題になっている事件だ。人一人分の血肉のスムージー急に現れるという、話では人がその場でスムージーに変わるという。
警察などは認めてはいないが目撃者がそれなりにいるようだ。
「そう、それだ」
「なら、なんで駅前の焼肉屋にきてるんですか?」今丁度その駅前を歩いている。
「いや・・・・」
「あれ?お義父さん行かないんですか」何か言おうとして立ち止まったまま動かない。
「二人とも締め切りは守るんだぞ」
「急にどうしたの」二人して不安そうにお義父さんの顔を見る。
「いや・・・なんだ、がんb」そこで言葉が止まる。
次の瞬間お義父さんはその場で・・・崩れた
「お、とうさん?」一泊置いて何が起こったか理解する。そう、赤黒いスムージーに変わったのだ・・・・肉塊の
「もう、お義父さんこんなところで寝たらだめだよ」そういいながら美咲はスムージーとなったお義父さんを触って「駄目だよお義父さん」一部を持ち上げる。
液体になったそれは指の隙間から流れ落ちていく。
「美咲ダメ!」私は美咲を無理やり引き離す。
「離して!私がお義父さんと仲良くしてるのに嫉妬してるの?」意地悪な笑みを浮かべる美咲。
何を言ってるの、このままにしておけない。
「いいから!」と無理やり引き離す。
元お義父さんは崩れて大きな水たまりを作っていた、赤黒い血だまりを大きく広げていく。美咲のズボンはその血を吸い赤黒く染まっていた。
それと同時に周りが騒いでいるのに気が付く。こんなことが目の前で起こったのだから仕方ない、人々は各々行動をとる、ある人はスマホを構えたり、広がり続ける血だまりを避けたり。って今はそんなことより美咲を!
「美咲しっかりして」肩を揺らして正気に戻そうとする。
少し揺らした後美咲は悲鳴を上げて倒れてしまった。きっと私も本当ならこうなってるのだろう、だが美咲がいたおかげで麻痺していたのだ。
しかし、それがなくなった頭が次に意識を向けるのは目の前の悲惨な事件だった。
スムージーに目をやる。(え、しんだ?しんだ、死んだ死んだ死んだ)
「あ・・・あああ・・ああああぁぁぁぁx!」私は麻痺していた気持ち悪さと鼻につく鉄臭さ、何より目の前でお義父さんが居なくなったという事実それを理解しようとして私の意識はそれを拒んで闇に落ちた。
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