沈む蓮
松 謝花
Chapter1.名前
初めまして、松 謝花と申します。
先述になりますがこの作品は私の半生をありのままに描いていく予定です。その上で暴力的な表現、性的な表現、差別的な表現がどうしても含まれます事を申し伝えさせて頂きます。人によっては心がお辛くなってしまう方がいらっしゃるかもしれません。お辛い様でしたら閲覧を避けて頂けたらと思います。
ですがこんな人間が存在した事、そして何より私と同じ様に過去や孤独に今も尚苦しんでいる方がいらっしゃったら共感という形でお力になれる事があればと思い筆を取りました。そして身の回りでSOSを出している方がいないか、皆さんの考えるきっかけになったらと願っています。
私自身治療中の身ですので極力毎日12時更新を心がけておりますが滞ってしまう事、稚拙な文章で読みにくいなどあるかと思いますが頑張っていきたいと思っておりますのでどうぞご愛読とレビューの程よろしくお願い申し上げます。
それでは本編に入らせて頂きます。
『彩花の名前はね、ママがつけたの。綺麗な花は人の心を落ち着けて綺麗にしてくれるの。貴女にはそんな人になって欲しいって思ったの。』
夏の茹るように暑い夏風に揺れる私の顔よりも大きい大輪の蓮の花を見つめながら母が目を細めて言った。当時3歳ほどだった私はそんな人になれるかな?
ううん、ならなくちゃ!と幸せを感じた事を今も鮮明に思い出す。
でも何故か母は夜になると豹変した。まるで昼間の母とは全くの別人なんじゃないかと思ってしまう程に人が変わった。今思えば酒に酔いそうなっていたのだけど幼かった私にはそれが理解が出来なかった。
どうして夜になると母は私を叱り、手を上げてくるのか?きっと私が不出来な所為だ。殴られながら心の底から謝った。
昼間牛乳をこぼしてしまった事、近所の人に挨拶が出来なかった事、父が家に帰ってこない事、皆私の所為で母に迷惑をかけてしまったからだ。だから仕方がない、怒られてるんだ。
そんな生活がほぼ毎日続いた。朝方に割れたグラスからこぼれた酒と外れた受話器から聞こえるツーツーという機械音全てを片付けてダイニングで酔い潰れた母に毛布をかけ、いつ呼ばれてもすぐ行ける様に部屋の端っこでいつもの様にお気に入りのキティちゃんの毛布を掛けて丸まって眠ろうとした時叩かれた頬が痛んで涙がぽろっと出た。
また今日もママに怒られてしまった。私はなんでこうなんだろう。もっとちゃんとしたら『あんたのせいで!!』って泣かずに済むんだろうか。
ちゃんとしたら
パパは帰ってきてくれるんだろうか。
母を起こさぬ様に ひっそり泣いていた。
そして泣き疲れて眠りにつく日々だった。
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