第2話 無人島で生活

次の日、早くに目が覚めてしまった。

時計がないので何時かもわからない。


無人島生活1日目が始まった。


とりあえず役場にいってみると、役場のケンチ―がいた。

ケンチ―に話しかけてみた。


「ケンチ―さん、おはようございます」


「おはようございます、しおりさん。さっそくお手伝いをしてもらいたいのですが、その前にこちらをお渡しいたします」


ケンチ―から携帯電話をもらった。

携帯が使えるの、嬉しいんだけど。


「こちらは、携帯電話です。この島でしか使えません。あると便利ですよ。カメラ機能がついていますし、この島の地図が見られるようになっています」


「地図が見れるのはありがたいです」


まあ、電話ができないのはあたり前か。


「では、この島の雑草をこの袋いっぱいと枝をこちらの紐に縛って10束もってきてください」


げ~まじか。めっちゃ、大変じゃん。

ゲームだと簡単にできちゃうことでも実際にやろうとすると大変なことなんだな~

まあ、やるしかないか。


「はい、いってきます」


しおりはさっそく役場近くや自分のテント近くの雑草を抜き、もらった袋いっぱいにつめた。

落ちている枝も紐に縛って10束にして役場にもっていき、ケンチ―さんに報告をした。


「ケンチ―さん、もってきました」


「しおりさん、早いですね。お預かりします。ではお礼にこの世界で使えるお金、500PINとこの釣り竿をさしあげます。これで海や川でおさかながつれますよ」


「やったーありがとうございます。ところで、このお金は何に必要なんですか?」

「これは……、もうすぐ来ると思うんですが……」


来るって、何が来るんだ。誰か来るのか。


「あっ、ちょうど来ました」


飛行場から誰かが歩いてやってきました。


「お待たせしました」


「ちょうど今、話していたところです。しおりさん、こちらはこの無人島シュウに毎日いろいろな商品を売ったり買ったりしにきてくれる『パイン商店』のシュウさんです。これから、買い物ができるので食べたいものも買えますよ。でも、あまりお腹はすかないと思いますけどね」


そういえば、昨日も何も食べていないのにお腹はすかない。死んじゃうとお腹はすかないということだろうか?


「商店は明日からOPENします。どこに建つかは地図等で確認してください。それと、これからは商店に木の枝やフルーツ、釣った魚を売ればお金に換えられますからご利用くださいね」


「わかりました」


さっそく携帯でお店の場所を確認しました。

わたしのテント近くだ。

わたしのテント近くでよかった~安心した。


それにしても、タケさんとミーリさんはまだ起きてないのかな~


とりあえずもらった釣り竿で魚釣りをしようと、地図を見ながら海に向かった。

わぁ~海が綺麗。

久しぶりに海をみた気がする。


毎日、学校と家の往復。

家ではゲーム三昧の生活。

ゲームが悪いわけではない。

むしろその生活が大好きだった。

他にやることもなかったし、やりたいこともなかった。


しばらく、海沿いに歩いていた。

すると、バケツが落ちていた。

バケツに貝でも拾い集めようかな。

魚も釣れたらいれられるしね。


釣りができそうな岩場を見つけた。


釣りの仕方はわからないが竿を投げてみた。

すると、竿にツンツンと反応があった。

勢いよく竿を引いた。

すると、魚が1匹釣れていた。


やったー!なんの魚だろう。


ふと携帯をみた。

すると、釣れた魚の名前やとれる時期などが載っていた。

ゲーム感覚で携帯を見てしまったけれど、やっぱり図鑑あるんだな。


ますます、ゲームっぽく思えてきた。

他のふたりは何も違和感ない感じだったけど、わたしが気にしすぎなのか?

わからなくなってきた。


そんなことを考えながら、しばらく魚を釣っていた。

面白いように魚は釣れた。

するとそこに、たえさんが近寄ってきました。


「しおりさん、おさかながたくさん釣れているようですね。こちらのクーラーボックスを差し上げますので釣った魚をいれておくといいですよ」


「ありがとうございます。さっき拾ったバケツだと小さいなと思っていたところです」


しおりは釣ったさかなをクーラーボックスに入れてテントに持ち帰りました。


明日にでも商店で売ればいいか。


とりあえず、お金にすることを考えていた。

まだ、昼間なのにしおりは疲れたので寝袋で休んだ。


ちなみに、テントの中には寝袋とランプとラジカセがあるだけです。


――――


しばらくして、目が覚めて起きた。

テントの外に出て外の空気を吸っていた。するとそこに、ミーリがやってきた。


「しおり!」


「ミーリさん! 朝会えなかったからどうしているのかな~って思っていました」


「さっき起きたので、ケンチ―の依頼をこなしているところなの」


「そうなんですか」


「しおりは終わったの?」


「はい、今日の分はたぶん終わっていると思います」


「ところで、このクーラーボックスはなに?」


「あっ、これですか。さっき魚を釣ってきたんです。見てください」


「わ~、すごいこんなに?」


「はい、暇だったので」


「どうやって釣ったの?」


「依頼をこなして釣り竿をもらいました。ミーリさんも依頼が終わればもらえると思いますよ」


「そうなんだ~。じゃあ、やるしかないか」


「はい、頑張ってください」


ミーリは依頼を終わらせるために役場とは反対方向に歩いていった。

時計がないので今何時ころなのかわからないのが不安だった。

どのくらい寝ていたのかもわからないし、結構寝たような気がするけど……。


何気なく携帯をみた。

すると、パイン商店ができていた。

えっ? 

なんで商店ができているの? 

もしかして、もう次の日なの?


とりあえず、役場にいってみることにした。役場につくと、ケンチ―が話かけてきた。


「しおりさん!」


「はい」


「パイン商店ができましたので、ご利用ください」


やっぱり、できている。


「あの? ケンチ―さん、今日の依頼ってありますか? 」


「はい、あります。では、今日はさかなを10匹お願いします」


「あっ、はい、わかりました」


やっぱり一日寝ちゃったんだ~時計がないと不便だし不安だ。


とにかく依頼を終わらせようと思っていた。

テントに戻り、昨日釣った魚の入ったクーラーボックスをもってケンチ―のところに戻ってきた。


「ケンチーさん、これ魚です」


「はい、では10匹もらいますね。あとはお返しします。次は、石をこのバケツいっぱいに拾ってきてください」


「はい」


バケツをもって、石を拾い始めた。無人島だから草はまだボーボーに生えているし、石もゴロゴロいっぱい落ちている。これならあっという間に、石を集められるな。


「ケンチ―さん、石をもってきました」


「はい、ありがとうございます。では石は回収します。バケツはさしあげます。今日の依頼はこれで終わりです」


「はい」


テントに戻りバケツをおいて、クーラーボックスをもって商店に向かった。


「こんにちは~」


最初って緊張する~


「いらっしゃいませ」


シュウさんがいました。


「シュウさん、今日はこの魚を売りにきたんですけど……」


「はい、確認します……、はい全部で1500PINで買い取ります」


「えっ、いいんですか?」


「はい」


「お願いします」


思ったより高く売れてよかった。


商店の中をみわたして、何かいいものはないかとみていた。

すると、目覚まし時計が売っていた。

値段を見てみると、200PINと書いてあった。


「シュウさん、この目覚まし時計をください」


時間がわからない不安から、解消されたいと思い目覚まし時計を買った。


よかった~これで、少しは時間がわかるはず。

これで、少しは安心だ。

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