“私の彼は無職でギャンブル好きの彼だった!”
神石水亞宮類
第1話 “私の彼は無職でギャンブルの彼だった!”
付き合いはじめは、彼も仕事を頑張っていた。
でも? 私と“同棲”しはじめると? 急に仕事を辞めたと言い出す。
結婚資金で2人で貯めていた貯金も彼が“ギャンブルに使い始める!”
『ねえ? いつになったら仕事するのよ! それにもうギャンブルはやめて!』
『パチンコで勝ったら? 美味しいもんでもご馳走してやるから。』
『そんな事を言ってるんじゃないのよ! 真面目に仕事をして、将来の事も
ちゃんと考えてほしいの!』
『ちびちび稼ぐより、一発当てて金持ちになる方がロマンがあるだろう!』
『ロマンなんか要らないのよ!』
『女はこれだから嫌なんだよな~』
『そういう事じゃないじゃない!』
『競馬でドカンと当ててやるよ!』
『真面目に仕事して!』
『やっぱりコツコツ少ない金を稼ぐより一発当てて! 億万長者に
なった方がカッコいいだろう!』
『いい加減にしてよ! ふざけるな!』
・・・彼は一体、私との将来をどう考えているのだろう?
毎日、朝早くからパチンコ屋に並び途中で馬券を買いに行って
またパチンコ屋に戻り閉店まで粘って家に帰って来る。
その時使うお金は、“二人の将来の為に貯めていたお金だ!”
一番お金が通帳にあった時は、500万円ほどあったが今では
ほとんどそのお金は残っていない。
通帳にお金がなくなってくると? 次は私の財布から勝手にお金を
引き抜くようになった。
私が彼氏に、その事を問い詰めると、、、?
『頼む、見逃してくれ! 必ず倍にして返すから!』
『倍になって返って来る訳ないでしょ! 家賃や光熱費を払うお金だった
のよ! 本当にどうするのよ!』
『必ず近いうちにパチンコで勝って返すから!』
『何時もそう言って、すっからかんで家に帰って来るじゃない!』
『“次こそは絶対に大丈夫だから!”』
『その言葉何回訊いてると思ってんの?』
『頼む! 俺を信じてくれ!』
『・・・・・・』
・・・もう呆れてあれ以上は、彼に何も言えなかった。
当たり前だがその後、彼から貸したお金は返ってこなかった。
私は親に借金をして、家の家賃と光熱費を支払う事にした。
正直、既に親にお金を借りるのは? “3回目だ!”
『・・・安菜、アンタ仕事は上手くいってんの?』
『えぇ!?』
『ちゃんと働いてて、なんで家賃や光熱費が払えないのよ!』
『・・・そ、それは、』
『それとも? ノブ君、仕事上手くいってないのかい?』
『い、いや、そんな事ないよ、』
『“嘘をついてもお母さんには分かるんだからね!”』
『えぇ!?』
『アンタが嘘をつくと? 鼻の穴が広がるの!』
『・・・あぁ、』
『もうノブ君と別れたらどうなの?』
『・・・・・・』
・・・私にもよく分かっている! 母親の言うように彼と別れた方が
いいという事、それでもどこかで私は彼がまたちゃんと仕事をはじめて
くれるものだと信じていた!
今はギャンブルにドはまりしている彼も心を改めて一からやり直して
くれると信じているの!
でも? 彼は一向にギャンブルをやめる気がない!
とうとう私の通帳にも手を出したからだ!
カードの暗証番号は、彼も知っていたから簡単にお金を引き落とす
事ができたのだろう。
私が何も知らないフリをしていると? 彼はドンドンエスカレート
していった。
気がつけば? 私のクレジットカードにも手を出している。
流石に私も、この事で彼と別れる決意をした!
『・・・もう限界だわ!』
『えぇ!?』
『勝手に私の銀行のカードを使って、お金引き落としてたでしょ!』
『必ず返すよ! 今度、競馬で○○賞があるんだよ!』
『“もう別れて!”』
『えぇ!? な、何言ってんだよ! 俺達上手くいってたじゃないか!』
『“私が黙って我慢してただけだよ”』
『じゃあ、もう少しだけ我慢しててくれ! 必ず俺が一発当てて!
安菜を金持ちにしてやるから!』
『何? その夢物語り、そんなのある訳ないじゃない!』
『それがあるんだって! 俺が叶えてやるから!』
『本当にもう限界だわ! この家から出て行け!』
『・・・ちょ、ちょっと待ってくれよ!』
『今すぐ出て行け!』
『・・・・・・』
私はブちぎれて、彼の靴を外にぶちまけた!
その後、彼も家から追い出す。
彼は玄関の外から何度も私にもう一度考え直してほしいと私に訴え
かけてきたけど、私は取り合わなかった。
・・・そうすると? 彼は諦めたのか何処かへ行ってしまう。
その後は、彼がどうなったのか分からない!
一切、連絡を取らなかったからだ。
私の携帯に何度も彼から連絡もあったし、LINEにもメッセージが
何度も入っていた。
でも? 私はもう彼とやり直す気力が完全になくなっていた。
少しづつだが彼と別れた後、以前の生活が戻ってきていた。
家賃や光熱費も払えるようになり、親に借りたお金もすこしづつ返せる
ようになった。
ただ彼が居ないだけ。
彼が居なくなって“寂しいと感じたことはない!”
それより少しホッとしている。
もう、ギャンブル好きの彼氏とはもう二度と付き合わないと私は心に決めたわ。
“私の彼は無職でギャンブル好きの彼だった!” 神石水亞宮類 @kamiisimizu-aguru
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