(職員室にて2)行間パート

「ちょっと、待ちなさい!まだ終わってませんよ」


 向き直ると広瀬先生は顔を真っ赤にしていた。その奥で何人かの教師が立ち上がっているのも見えた。

 降りかかる火の粉は振り払う、というか、響を苦しめようとする奴は息の根を止めるよ?覚悟しておいてね?


「はい先生。まだ何かありましたか?」


 取り敢えず言い分を聞くのが先だ。筋道さえ通っているなら何も問題ない。この学校に筋の通せる先生がいないのが問題なだけで、他に文句はない。


「学校内で抱き合ってキスをしていたそうですね。大勢の生徒、教員が見ていますよ。ふ、ふしだらな!」


 広瀬先生の顔は真っ赤になっていた。奥に見える教員がうなづくのも見える。


「それのどこが問題なんですか?」

「大問題です!全く言い逃れできませんよ」

「えっ?そんな事はないでしょう?」


 僕はわざとらしく大声を出した。しらばっくれて逃げれると思ってるならおめでたい頭をしている。


「恋愛に自由な校風がこの学校の特徴じゃないですか?

 口づけをした事?人前でした事?学校内でした事?どれが悪いんですか?」

「全部駄目です!それに我が校は恋愛に自由な校風ではありません」

「じゃあ、バレなきゃ良かったんですか?」

「そんな事はありません!バレなくても駄目ですからね」


 広瀬先生の後ろに見える教師集団も何人かうなづいていた。うなづかないのは後ろ暗い事のある人達だろう。

 それにしても簡単に言質が取れて良かった。


「それじゃあ、一つ言いたい事があるので言わさせてもらいますね。一年のイジメ問題、あれ教育委員会に報告上げずに無かった事にして隠蔽しようとしてますよね?それって犯罪ですよ?」

「それとこれとは話が別です。話を逸らさないで下さい!」

「僕は違わないと思いますよ。イジメの原因が何だと思います?聞いたら笑っちゃいますよ。生徒に手を出そうとして断られた事に対して腹を立てた教師が腹いせにクラスの生徒を煽っていじめを主導。

 どう、考えても許される事じゃないですよね?

 しかも、これも恋愛問題が原因でしょう?

 教師が守られて、生徒が犠牲になる?僕は気に食わないな。

 ここは教育現場で守られるべきは生徒でしょう?」

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