少年A

@boyAAA

第1話

自分の過去って『たられば』で、こうならないかなとか思う時もあるけど、それは無理な夢である。

自分の過去を振り返り、実はこんな事があったなとか思い出したらこんな感じだったなとか沢山あった。

その時はソレが1番ベストな選択をしたり一生懸命ガムシャラにやってた事も大人になれば、もっと貪欲に行けば良かったかもとか沢山あった。



197○年○月○○日に生を受け、この大地で自分なりに選択肢が常に沢山ある中で、やってきた事である。




僕は保育園で家の裏に住んでいる男の子の面倒をみながら、先生達に紙芝居を読んでもらってる。


A「むにゃむにゃ……」


先生「そろそろお母さんも迎えに来てくれないと困っちゃうね?もう、夕方だし、今日もかけっこして疲れちゃったもんね。」


A「あっ!お母さんっ!」


雅子「遅くなってごめんねー!さぁ、早く帰ってテレビでアニメ見なくちゃね!」


雅子は僕を愛車のMTのワインレッドのシビックの助手席に乗せ、保育園の先生との交換日記を受け取り、そそくさと市営住宅に帰る。

僕はやっと帰れるという気持ちで何もかもがいっぱいだった。


雅子は食料などの買い物も済ませていて、テールランプを夕日に当てながら我が家へ帰る。

そして毎日再放送のアニメを見て、濃いめの化粧をして夜仕事へ行ってしまう。


少年Aは母子家庭で風呂も無い家。


2日に1回200円をテーブルに置き、それは【銭湯代】としてAに言いつけ、炊飯器には茶碗一杯分のご飯と一杯分の味噌汁とスーパーで買ってきた漬物を少しだけ置いて、毎晩いなくなる。

雅子は午前中は空港で喫茶店のウェイトレスをし、夜は知人のスナックで働いてた。

少年Aはたまにスナックの2階に住んでいる人に預けられる事もあった。遊んでもらった記憶は全く無い。雅子の仕事が終わるまでの預けで、少年Aが寝てる間にいつものボロボロの市営住宅に愛車で帰るのである。


後々聞いた話だが、この市営住宅は収入によって家賃が違うらしいが雅子曰く当時は毎月3000円程の家賃だったらしい。

居間が8畳くらいに2畳くらいの台所。居間の片隅には雅子専用のベットがあり、フカフカの羽毛布団で雅子は身体の疲れを癒す。

そして便所コオロギがたまに出るような、すきま風も入ってくる和式の水洗トイレ。

そして4畳半程の所にベットと押し入れがあり、少年はそこで大半はその4畳半の部屋のベットでボロボロの布団で1人で寝て、起きたらいつもの如く1人でご飯を食べ、台所に食器を水でうるかせるだけでいいと言われ、そのまま保育園に雅子の愛車で送り迎えの日々を過ごし、帰ってきても1人で外のボロボロの木でできた物置きに向かってサッカーボールを蹴ってる日々を過ごしていた。


友達と呼べる存在はいなく、隣の市営住宅に住んでいた女の子とたまに近くの木を登って小さな傷を右手の小指に作り、完治しても大人になっても小指の怪我の後は残ったままで、隣りに住んでいた女の子と一緒におままごとを少年なりに気を使って遊んでた日々を保育園時は過ごすのである。


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