8.廃嫡――跡継ぎにしか使えない

 婚約破棄もので、えん罪で主人公に婚約破棄を宣言した王子やら、主人公に乱暴した取り巻きやらが、「ざまあ」で廃嫡されることがよくあります。

 が、ときどき、第二王子やら三男やらに対して「廃嫡」という言葉が使われています。

 「廃嫡」とは、簡単に言えば、嫡子、つまり跡継ぎから、その地位を剥奪することです。

 したがって、王太子がいるのにそれ以外の王子が「廃嫡」されたり、跡継ぎではない貴族の三男を「廃嫡」される、ということはありえないのです。


 もともと「廃嫡」は、日本の戦前の民法にある言葉です。旧民法では、相続権があるのは原則として長男だけでした。その相続権のある人から、権利を取り上げることを「廃嫡」と言ったのです。

 


 

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