ヒノクニの魔王 〜狂人による世界征服〜

第1話

「選べ。死か服従か」

私は愚かにも平和的解決を断った無能の喉に刀を突き付ける。

返答次第ではすぐに首をはね、殺してもいい。

ｶﾞﾁｶﾞﾁｶﾞﾁｶﾞﾁ

この愚か者はものが言えない程私に恐れをなしているようだ。

歯を鳴らして怯えている。

このまま脅して無理矢理服従させてもいいが、コイツにそこまでする価値はない。

「そうか…………じゃあ死ね」

私が刀を戻すと許されたと勘違いした愚か者は、安堵の表情を見せたが、続く言葉に絶望したようだ。

「ま、待っ――」

刀を振り上げ、本気で振り下ろせば愚か者の頭は、薪のように真っ二つになった。

「私の覇道に味方を突撃させて無駄死にさせるような無能は必要ない。あの世で自分の才能の無さを悔いるんだな」

そう言って愚か者の死体を一瞥すると、コイツの迷宮の核を探しに目の前の奇妙な門をくぐった。